麻生川静男さんから「社会人のリベラルアーツ」を学んで世界基準の知性を磨こう!!

Pocket

昨今、日本を取り巻く環境は

ますます厳しくなってきています。

外圧の影響で、日本人のアイデンティティーも

揺らいでおり「プチナショナリズム」が勃興して

きているようです。

そのように価値基準が大きく変化してきた時こそ、

幕末の志士のように世界に目を向けて謙虚に学びましょう!!

今回は、この本を通じて「一般教養(リベラルアーツ)」に

ついて興味関心を持って頂ければ幸いです。

「本物の知性を磨く社会人のリベラルアーツ」        (麻生川静男著、祥伝社、2015年)

著者は、「リベラルアーツ研究家」です。

世界各地に遊学の後、企業で「ソフトウェア開発の技術者」

に従事してきた経験から、「世界基準での教養の重要性」に

目覚めた異色の経歴をお持ちの方です。

現在は、「リベラルアーツ」の普及活動をされています。

さて、「リベラルアーツ」とは何か?

日本語では、「一般教養」のことを指すとされています。

直訳すれば、「自由芸術」・・・

これは、「自由人(奴隷身分から解放された)」に

なるために必須の「技術・スタイル・教養」といった

イメージでしょうか。

日本では、「教養」といったら今でも「お高くとまった知識人」

や「お金持ちの有閑階級」の趣味道楽くらいにしかイメージ

されていないでしょうが、西欧では「自由の進展」とともに

一般庶民にとっても「死活問題」だったようです。

日本では、長らく「平和で安定」した時代が続き

極端な「身分格差」もなくなってきたので「教養」は

軽視されてきたようです。

身近なところでも、「国公立大学の文系学部廃止」や

「一般教養教育の縮小」に現れているようです。

「大学の専門学校(就職予備校)化」が問題になって久しい

ですが、「実学専門教育」の方に力点が置かれてきました。

一方、国外に目を転じると「実学・技術革新」以前の問題として

繁栄の土台となる「基礎研究や一般教養教育」を重視した国が

歴史的に見ても世界の勢力図を塗り替えてきたようです。

技術革新の土台は、言うまでもなく「アイディアやものの考え方」

だからです。

先進国レベルでは、すでに安定期から衰退期に入りつつあるようです。

このような「混沌未明の不安定期」には、価値基準が混乱し

世相も危険な心理状態になりがちです。

だからこそ、「一般教養(リベラルアーツ)」を学ぼうという訳です。

庶民の知力で、この困難な時代を乗り切らねばなりません。

ビジネス書よりも科学史と技術史を学ぼう!!

著者によると、日本は「技術重視」で生きてきた

ためか「基礎理論」を軽視する嫌いがあるようです。

もっとも、それだけ「実用度」が高かったために

融通が利き、近隣アジア諸国に比べて「独立」

してやってこれたようですが・・・

全般的に、東洋社会は「文」を重視してきたようで

現在もその後遺症が多々見られます。

「技術軽視の中国・朝鮮」

「理論軽視・技術優先の日本」

「実用知識・理論ともに重視する西洋」

著者は、一応「便宜的に」このように「分かりやすく」

まとめておられます。

このような性格から、今後日本人が学んでいく必要が

あるのは、「技術史」に加えて「科学史」であるようです。

「基礎理論の構築」ができる「思考法」を身につける必要が

ありそうです。

そのことは、同時に「討論(弁論)術」を身につけることにも

つながります。

明治の頃、福澤諭吉が「演説の重要性」を強調してきたことは

現在にも通用します。

幕末の頃、佐久間象山は

「東洋の道徳と西洋の芸術(技術)」を

バランスよく摂取していくのが、「日本人の生きていく道」だと

主張しました。

私たちも、これらの「幕末の賢者」にならって市井において

「世界を学ぼうではありませんか!!」

「五箇条の御誓文」にもあるように、

「旧来の陋習を破り、進取の精神でもって

世界に羽ばたいていこうではありませんか!!」

健全な懐疑精神と世界の諸言語に親しむ!!

誠に悲しいことですが、目下の日本国内では

無意味な「足の引っ張り合い」が散見されます。

「バランス感覚の豊かな健全なエリートがいない!!」

また、在野でも「紛争の種」が無思慮に蒔かれています。

こんなご時世だからこそ、志をもった若者の皆さんには

「世界に視野を広げて」頂きたいのです。

このブログも、タイトルにあるように

「次世代を担う若者への応援歌」

「老若男女差別なく志高い方への応援メッセージ」です。

空気に流されて「付和雷同」することなく、

落ち着いて「健全な懐疑精神」を養って頂きたいと

思います。

著者も強調されていますが、「グローバル社会」は

「英語」だけで成り立っているのではありません。

特定の国々に振り回されないためにも、

植民地にならずに将来も「独立」を保てるように

「英語だけでなく他言語」も学んでいきたいものです。

この利点は、「複数の視点が持てること」です。

各人の人生で出来ることは限られていますが、

それぞれの出来る範囲で積極的に「いのち」を

活かしていただきたいと願ってやみません。

「井の中の蛙 大海を知らず されど 天の心(高さ)は知れり!!」

その「天の心」を知るためにも、狭い視野から大海へ乗り出して

いこうではありませんか。

「周りの声に惑わされずに、小さいことからコツコツと」

なお、「リベラルアーツ」については、

「リベラルアーツの学び方」

(瀬木比呂志著、ディスカバー・トゥエンティワン、2015年)

も、ご紹介しておきます。

こちらは、音楽や映画など「芸術」も案内されています。

最後までお読み頂きありがとうございました。

sponsored link


 

2 Responses to “麻生川静男さんから「社会人のリベラルアーツ」を学んで世界基準の知性を磨こう!!”

與那覇潤さんの『中国化する日本~日中「文明の衝突」一千年史』媚中でも嫌中でもない世界史から見た日中史論とは!? | 双龍天翔 へ返信する

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

サブコンテンツ

このページの先頭へ