謎の哲学者ピュタゴラス!!その素顔は神秘家??それとも・・・そんな素性不明な哲学者に迫ります!!

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謎の哲学者ピュタゴラス・・・

ピュタゴラスといえば、「三平方の定理」

というイメージしか湧きませんよね!?

そんなピュタゴラスですが、記録がはっきりと

残っていないだけに、厄介な人物です。

今に伝わる「人物像」は、すべて後世に生きた

別人の著作からしか、その片鱗は窺えないようです。

実は、占いなんかで人気のある「数秘術」ですが、

これは「ユダヤカバラ術」よりもピュタゴラスに

由来があるそうです。

今回は、この本をご紹介します。

「謎の哲学者ピュタゴラス」               (左近司祥子著、講談社選書メチエ、2003年)

左近司祥子先生(以下、著者)は、ギリシャ哲学がご専門の学者です。

大の「猫好き」のようです。

なぜか、管理人の敬愛する学者や作家などには「猫好き」の人が

多いようですね。

南方熊楠先生や小室直樹先生など「在野の魅力ある学者」には

多いようです。

それはともかく・・・

ギリシャといえば、昨今ユーロ危機などを主導したなどの罪??で

世界中で剣幕を張られているようですが、世界の思想の大本を

築いてきた国だけに、なかなか手強く油断がなりません。

ローマ=カトリック思想や、ユダヤ思想、イスラム思想など

現代の世界を牽引する思想は、すべてギリシャにありそうです。

特に、「理性と神秘のせめぎ合い」こそ

管理人が最近テーマを持っていることでもあり、

今回はこの本を取り上げさせて頂きました。

「三平方の定理」は、皆さんご存じだと思います。

その内容についてはともかく、実はこの定理は

ピュタゴラスの発見ではないようですね。

ただ面白いのは、現在の「幾何学(図形)の土台」を

この人物が構築してきたようなのです。

ユークリッド幾何学(わが国の義務教育で学ぶ図形学です)や

アリストテレスの幾何学などにも、最初に影響を与えたのが

ピュタゴラスだそうです。

「だそうです・・・」というのは、無責任な表現のようですが、

実際「研究者」の方でも不明で謎に満ちた人物であるだけに

仕方がありません。

占い好きの方なら、「ユダヤカバラ占星術」も

天文学から導かれた「数秘術」であることから、

ご興味を持って頂けるのではないかと思います。

「数字には、意味がある!!」

どこにそんな根拠があるのかと一見すれば思われますが、

そのようです。

ここは、ピュタゴラスさんのお話に素直に従っておきましょう。

現代社会を席巻するのは、ほとんどが「理性中心思考法」です。

世界の三大宗教(ユダヤ・キリスト・イスラム)の中核思想も

基本的に「啓示(理性)」による「啓典」宗教だと言われています。

現在、世界の三大宗教の聖地は、エルサレムですが

ここは、驚くべきことに「アジア=東方」なのですね。

ヨーロッパ(西洋)ではなく・・・

東方(東洋)では、理性よりも「神秘」が重んじられてきたようです。

イスラムのスーフィズム(神秘思想)は、イスラム教に縁の薄い

私たちにも身近なところでつながりがあるようです。

「コーヒー」ですね。

元々「コーヒー」は、儀式の最中の眠気覚ましと医療用の薬でもありました。

閑話休題・・・

現代社会が混乱しているのも、「理性と神秘の世界」が

双方極限まで譲らないでいるところに原因があるようです。

これらの「争い」に終止符を打ち、世界に再び「調和」をもたらすためにも・・・

その思考の原点である「理性と神秘の狭間」で生きていたピュタゴラスに

学んでみようと思い、この本を取り上げさせて頂きました。

理性と神秘の狭間に生きたピュタゴラス

著者もこの本で説明しておられますが、実はピュタゴラスに

関する文献資料や記録は、ほとんどないようなのです。

だから、この本でもピュタゴラスの実像に迫るために

プラトンソクラテスアリストテレスといった

「古代ギリシャ三大哲学者」によって語らせています。

ソクラテス自身の実像も、自身の著作がないだけに

現代ではプラトンの著作などによってしかイメージ出来ないようですが・・・

「無知の知」

ソクラテスは、対話によって叡智を求めていきました。

絶対的な答えを求めるのではなく、流動体にある現実にあわせて

柔軟な思考法から「叡智を求める」点に重点を置いていたようです。

しかし、結局誤解を受けたのか「真相は闇の中」ですが、

最期は毒杯をあおります。

プラトンとアリストテレスの争いは、基本的に「実在感」を

巡っての解釈の違いによるものでした。

「言葉とイメージの一致」を求めるのが、アリストテレス。

「言葉とイメージを切断」してみせたのが、プラトンだと

されています。

ここから、現代に至るまでの大きな「世界観」が二つに分かれてきた

ようですね。

つまり、「この世(俗界)とあの世(聖界)の厳格な峻別」です。

その「分岐点」に「結界」をもうけなければ世界は混乱するばかりです。

だからこそ、この古代のギリシャ思想は油断ならないのです。

アリストテレスは、基本的に「この世で経験出来る」ものしか認めません

ので、基本的には「安定した世界観」を用意します。

この内に人類が止まることが出来るなら、混乱もある程度は抑えることが

出来そうですが・・・

それだけでは、「味気ない」世界になり「死後の世界」にも安心材料を与えないと

満足できないのも人類のようです。

こうしたことから、魂にも説明を与えてくれそうな「プラトン的世界観」が

根強く支持される背景にもなっています。

そんなプラトンの源流を辿っていけば、今回のメイン人物であるピュタゴラス

に行き着くようです。

ピュタゴラスの思考法は、「数学的世界観」です。

「魂の輪廻転生論」もピュタゴラスから生まれたようです。

ピュタゴラスは、当時「ピュタゴラス教団?」という一種の「神秘集団」を

率いていたようです。

古代のことですから、今とは違い「まつりごと(政治)」にも宗教的解釈が

必要になります。

そんなことから、ギリシャの有力者の庇護も受けながら成長していったようです。

やがて、「教団」内から「信者」と「学者」という二大派閥に別れていきます。

「信者」が「神秘部門担当」

「学者」が「理性部門担当」

というように、簡単に整理されていけば

その後の人類史も変わったのでしょうが・・・

それはともかく、この学者集団から後にプラトンへと引き継がれていきます。

この間、ネオ・ピュタゴラス派とネオ・プラトン派は相互に影響を与え合いながら

やがて、キリスト教神学(厳密には、イエス・キリスト自身の教えではなく・・・)

へと発展していくのです。

このように、現代思想の基礎固めをしたかに見えるのですが・・・

21世紀の現在でも、世俗的には「聖と俗の結界」は十二分に構築されていない

のが、難しいところです。

理性と神秘の調和を目指して・・・

このように、この本では

ピュタゴラスを軸に「古代ギリシャ思想」について

学ぶことが出来ます。

哲学なんて何の役にも立たないと思っておられる方でも、

日々「理性(左脳)と神秘・感性(右脳)」を駆使して生きておられるはずです。

日々の思考で行き詰まった時には、この原点思考に戻って頂くと

「今自分は何の問題で悩んでいるのか?」

について「思考の整理整頓」にお役に立つかと思います。

「理性部門に神秘部門の解決方法を当てはめてもうまくいきません!!」

その反対も同じです。

ひょっとして、その双方を取り持つのが

「感性や霊性(インスピレーション・ひらめき)」なのでは

ないでしょうか?

細かな点をもっと知りたい方は、この本をお読み頂くとして

今現代このバランスを完全に崩してしまっているところに

難問が残っているようですね。

「なかなか一貫した思考法や生き方」は、難しいようですね~(溜息)

皆さんも、日々矛盾に直面する機会も多々あるかと思いますが、

思考の整理をされたい時には、ふとこの視点を思い出して頂ければ

幸いであります。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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3 Responses to “謎の哲学者ピュタゴラス!!その素顔は神秘家??それとも・・・そんな素性不明な哲学者に迫ります!!”

松井孝典先生の『文明は<見えない世界>がつくる』 現代科学は<見えない世界>をどこまで解明し得てきたのだろうか? | 双龍天翔 へ返信する

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