小沢昭一さんの語り「芸人の肖像」失われ往く日本の原風景を取り戻そう!!懐かしい世界へようこそ!?

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旅する一座の者・・・

今や「テレビの世界」でしか見る機会が

少なくなりました。

先年お亡くなりになった俳優「小沢昭一さん」は、

そんな「失われ往く見せ物文化」を最後まで守ろうと

取り組んで来られました。

流行の「漫才」も、元々は新年を言祝ぐ「千歳・万歳」が由来のようです。

皆さんも、「縁日」や「見せ物小屋」などで

一度はご覧になったこともあるかもしれません。

大道芸人、チンドン屋・・・

今回は、そんな「あやし懐かしの世界」をこの本でお届けします。

「芸人の肖像」(小沢昭一著、ちくま新書、2013年)

小沢昭一さん(以下、著者)は、俳優座養成所を経て俳優デビュー。

幅広い芸能活動の傍らで、民俗芸能の研究にも力を注いでおられました。

関西に住む管理人にとって「上方芸能」には親しみがありますが、

根っからの「江戸っ子」小沢昭一さんが、この本で触れられている

「江戸下町文化」にはあまり詳しくはありません。

ですので、「江戸下町文化」の風景にも触れることが出来て新鮮な気分を

味わわせて頂きました。

「江戸下町文化」といえば、関西人にとっては

どうしても「浅草寺」や「葛飾柴又の寅さんこと渥美清さん」のイメージが強いですね。

著者は、若い頃より落語を愛しておられ「噺家」の道に進むかと思いきや、

新劇の道に入っていったそうです。

永井荷風に憧れ、文字通り「珍道中」を目指そうと志したのはよいものの

ご本人が語るには「いくら励んでみても、どうも付け焼刃で、あまり私の

本性にまでその道楽がしみこまない」とのことでした。

この本は、そんな「大衆芸能のカオス」に満ちあふれた好著です。

「芸能は、奥が深い!!」

私たちが、日頃馴染んでいる「芸能文化」はほんの氷山の一角ということに

気付かされます。

テレビやラジオといった「メディア芸能文化」に飽きた方・・・

すでに、「大衆芸能」や「伝統芸能」に親しみを持っておられる方も

必読です。

「新しい世界が待っています!!」

妖艶(あやし)な世界へようこそ!!

「縁日」や「見せ物小屋」って、何だか非日常感があって

ドキドキしませんか?

「エロス(妖艶)とパトス(情熱)」を感じるのです。

管理人のような若い世代には、町中で「大道芸人」などに直接

触れる機会は少なくなりましたが、今でも現代の「悪所?」は

ひっそりとしながらも人気があるようです。

管理人の場合は、四天王寺東寺の「縁日」などが好きで

よく出かけます。

いつも行く縁日の「露天商」さんとは、顔なじみになっています。

全国飛び回っているらしく、「地方巡業?」の話なんかを聴きながら

いつもの「商品」を買ったりするのが楽しみです。

能楽などの「伝統芸能」も好きで、このブログでも

それにちなんだ本をご紹介させて頂いていますが、最近はもう一つ

「秘やかな趣味」が出来ました。

それが、「ストリップ」ではなくて(笑)、「大衆芸能」です。

管理人は、大阪在住なのでよく「新世界」や周辺地域にある「大衆芸能」

の「見せ物小屋」に通っています。

始めていったのは、まだまだ世慣れしていなかった

ういういしい?20代後半でした。

「小屋に入るのもドキドキした!!」のが正直な気持ちでした。

なぜって、場所が場所・・・

まさに、「場末」なので「どうなるのか?」怖かったのです。

結構、「小心者」なんです。

でも、これも人生経験。

「えい、ままよ!!」と入ったところ、結構「普通の人?」が

たくさん入っているではありませんか?

そこから、どんどん「大衆芸能」の魅力に、はまっていきました。

「なんと、いとあやしな世界なんだろう!!」

皆さんも食わず嫌いにならずに、「趣味のレパートリー」を

増やしてみてはいかがでしょうか?

きっと、「あなたの知らない新世界」が広がっていくことでしょう。

魅力的な大衆芸能を未来に残そう!!

最近の映画かドラマ版だか記憶はあやふやですが、

古代ローマを舞台にした「テルマエ・ロマエ」という

作品があります。

この作品の中で、「秘宝館」が出ていたのを覚えていらっしゃるかも

しれません。

実は、この「秘宝館」も「妖艶(エロス)な世界」

日本人にとって、「エロス」よりも「妖艶(あやし)」な感覚の方が

しっくりくるかと思います。

その「しっとり感」が心地良いみたいですね。

この本でも、そんな場面が出てきますが、ここでは「ひ・み・つ・・・」

著者の語りで楽しんで下さいね。

ところで、「大衆演劇」といえばテレビによく出演されている梅沢富美男さん。

「かっこよくて、いとあやしな」感じがいいですねぇ~

最近の若い子にも人気のある早乙女太一さん。

彼も、なかなかハンサムで色男だなぁ~

そんな感じで、「大衆芸能」はテレビなどでは滅多に「お目にかかる」機会は

ないので、是非皆さんも一度は「見せ物小屋」に足をお運び下さいませ。

管理人も、なじみの露天商の方のような「口上・語り」をもっと勉強しなくちゃねぇ~

何だか、今日は「文体」まで変化してしまいましたが、こうした「話芸」も

身につけていきたいと思っています。

そうです・・・

「書くことも、常に進化し続ける」のです。

管理人もこれから「腕に磨き」をかけつつ、皆さんとともに成長していきますので、

なにとぞ今後ともご贔屓下さりますようお願いします。

ついでに、管理人も応援している大衆演劇「弁天座」を宣伝させて頂きます。

関西在住の方で、お近くにお住まいでしたら是非一度足をお運び下さいませ。

なお、「大衆芸能」について知りたい方へ、

『「悪所」の民俗誌~色町・芝居町のトポロジー』

(沖浦和光著、文春新書、2006年)

「旅芸人のいた風景~遍歴・流浪・渡世」

(沖浦和光著、文春新書、2007年)

また、「露天商(テキヤ)文化」については、

「テキヤはどこからやってくるのか?~露天商いの近現代を辿る」

(厚香苗著、光文社新書、2014年)

を、ご紹介しておきます。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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