アリック・バーソロミューさんの「自然は脈動する」ヴィクトル・シャウベルガーの驚くべき洞察から人類の未来を考えよう!!
「自然は脈動する~ヴィクトル・シャウベルガーの驚くべき洞察~」
アメリカの編集者として
レイチェル・カーソンの「沈黙の春」の刊行にも
携わったというアリック・バーソロミューさんが、
忘れられた自然主義者ヴィクトル・シャウベルガーの
天才的な業績を紹介しています。
この本を読むと、私たちが学んできた「科学的・機械的世界観」にも
反省すべき余地が多々あることを学べます。
今回は、この本をご紹介します。
「自然は脈動する~ヴィクトル・シャウベルガーの驚くべき洞察~」(アリック・バーソロミュー著、野口正雄訳、日本教文社、2008年)
アリック・バーソロミューさん(以下、著者)は、イギリスの
ケンブリッジ大学で地質学と地理学を専攻された後に、
アメリカのシカゴ大学の大学院課程を履修されていた大変優秀な
人物です。
編集者として、レイチェル・カーソンの名著「沈黙の春」の
刊行にも携わってこられたそうです。
その著者が、20年以上に渡って研究し続けてきた
ヴィクトル・シャウベルガー(以下、シャウベルガー)の業績を
この本で紹介しています。
シャウベルガーという人物は、日本ではまったく
知られていない「無名」の方のようですが、人類の未来だけでなく、
あらゆる森羅万象にとっても多大なる功績をもたらした方のようですね。
19世紀末から20世紀中頃までの、「激動の20世紀」を
在野の技術者として駆け抜けた生涯だったようです。
当時のオーストリアは、ドイツとの「合邦運動」の中で、
多くの著名人が祖国を離れざるを得ない状況にありました。
このオーストリアには、現代社会の土台思想を様々な分野で
構築していった「天才たち」で満ち溢れていました。
そのような豊饒な知的世界に生を受けた「無名の青年」が、
どのように「知的人生」を歩んでいったのか?
また、読者の皆さんにとっても、在野の「知的青年」が
時代の「知的権威」と距離を置きながらも、人類史に
大きな足跡を残していった姿から、なにがしか勇気が
得られるのではないかと思い、この本を取り上げさせて
頂きました。
この本は、現代科学の主流と違い、ゲーテやルドルフ・シュタイナー
などの精神的世界観とも絡んでくるので、人によっては
「違和感」や場合によっては「嫌悪感」まで抱かれる方も
おられるかもしれません。
そのような点で、この本は、
現代人の「踏み絵」とでも言えるでしょう。
それでも、この世界には多様な世界が拡がっていることを
実感されることは間違いないでしょう。
シャウベルガーは、「自然と調和する技術」の先駆者でした。
そうした意味でも、日に日に「生存環境」が悪化していく現代には
無視することの出来ない思想家でもあるようです。
「自然は脈動する」
「生命の源は水にある」
この重要な視点を提示することで、私たちの眠っていた
記憶を呼び覚ましてくれます。
もう一つの科学的世界観
シャウベルガーは、理性主義の制約にとらわれない
自然のプロセスの研究を、科学的に検証可能な枠組みに
あてはめた「革新的科学者」であったようです。
先人の科学的業績を認めつつも、その「近代科学」の現実世界への
不適応状態について、実際に「自然観察」を積み重ねていくことで
確信していきました。
近代科学は、「分裂思考かつ非建設的」な傾向をもたらしてしまう
人類を含めた「自然の生態系」にとって厄介な存在だと・・・
「もっと、全体的(ホリスティック)で融合的な科学が必要だ!!」
近代科学は、自然の秩序に逆らったエネルギーを前提としています。
このようなエネルギー使用法では、消耗も激しく「事業」としても
成り立たない「非常に効率の悪い」ものではないか?
莫大なエネルギー消耗を要する近代科学には、何か根本的に
改善すべき点があるのではないか?
と、シャウベルガーは考察していきました。
シャウベルガーは、森林監視員としても働いていた経験があったので、
常日頃から「樹木と水源の相関関係」にも精通していました。
ある時に、木材運搬用の水路建設を請け負った際に、
ヘビが水中を泳ぐ様に、「木材の効率的な流し方」のヒントを得たり、
水中のマスが泳ぐ姿を観察する過程で、「革新的な発電機の発明」の
ヒントにつながったりするなど、「自然そのまま」から「科学的知見」を
抽出する「自然の科学」を体系化していく導きを得ました。
現代科学は、これと真逆の方向で進んできたのではないか?
ここに、天才的なひらめきが生まれました。
どうやら、現代科学の不自然な人工的・恣意的な「仮説設定」の
「科学的方法論」からして異常ではないか?
このようにして、率直に自然から学ぶ「あらたな自然科学者」が
誕生しました。
効率的なエネルギー生成法を水の叡智から学び取る!!
シャウベルガーは、水の性質を研究していく中で、
「エネルギーの効率的な抽出法」を学習していきます。
この本の最大の長所は、「水とエネルギーの性質」を
かなり詳細に、今までの「教科書的科学知識」のみでは
見落としかねない貴重な知識が学べる点にあります。
「生命は、常にゆらいでいる!!」
シャウベルガーは、非ユークリッド幾何学の世界観をも
取り入れながら「対象性と非対象性のゆらぎの部分」に
着目していきます。
「エネルギーを持った生命体は、螺旋状の渦巻き形態から生み出される!!」
「その初期形態は、どうやら卵の形をしているらしい!!」
実際に、「水の腐敗防止法(保存法)」は、適切な温度管理と絶えざる動きに
よる「卵形の容器」による保存が適しているようですね。
そして、水にも「特異点」があることを利用していきます。
「摂氏4度」を境目にして、このポイントとの遠近関係で
「正負の温度勾配を持つ」ことも精確に分析したり、
エネルギーの求心力(内破・爆縮・融合)に注目しながら、
「効率的な内破エンジン」を考案していきました。
難しい詳細な解説は、この本に委ねますが、
ブラックホールにも「真空」が生じるらしいように、
「生物学的真空」を人工的に創造することから
エネルギーを抽出するようです。
これなどは、量子力学でも「零点エネルギーを経由する
のようで、無機物のみならず有機物たる生命エネルギーにも
共通するようですね。
要するに、一種の「フリーエネルギー抽出装置」のような機械
なのですが、管理人には理解出来ませんので、判断留保させて
頂きます。
シャウベルガーによると、この「内破は従来の意味での発明ではなく、
時の経過の中で失われた古代の知識を復興させたものである!!」との
ことですが・・・
他にも、「有機農法の改善法」など優れた技術の事例も紹介されていますが、
ご興味ある方はご一読下さいませ。
いずれにせよ、シャウベルガーの研究成果からあらためて発見されてきた
ことは、「エネルギーは生きている」ということです。
一口にエネルギーと言っても、質的レベルも異なるので
一概には論じることも出来ないようですが、「エネルギーが質を決める」
ことは判明したようですね。
これは、人間とて同じようです。
エネルギーを「意識の流れ」と読み替えることが、仮に許されるとするなら、
重大な結論が待ち受けています。
なぜなら、私たちの根本的な「世界観」を変革させるからです。
シャウベルガーは、生涯に渡り「苦難な道のり」を歩み続けたそうです。
「いつの時代も、天才は孤独・孤立して一般人には理解されずに、
ことの重大さに気付いた権力者には利用される!!」との教訓が
ここからも得られるようです。
「人類のみならず、すべての森羅万象の幸せを願ってのことなのに・・・」
「なぜ??」
21世紀を生きる私たちも、「激動の20世紀の教訓」は他人事ではありません。
今後予測される未来図は、近い将来この「近現代的世界(価値)観」を
どこかの時点で、大きく転換させる必要性に迫られるということです。
便利な技術革新は、人々の意識や行動規範(基準)を大幅に変更させて
しまいました。
その一方で、世界には身近に貧困や差別・暴力などがはびこっています。
こうした事態を観察していると、本当に人類は
「万物の霊長たる知恵あるヒト(ホモ・サピエンス)」と呼んでいいのかも
疑問が湧き出てくるところです。
まさに、「エネルギーが質を決める!!」
一人一人の「自覚」が、未来を決定するのですから、管理人も含めて
猛省しなければなりません。
せっかくの技術革新も「エネルギー問題」を解決しないことには、
早晩「廃棄処分」しなければならない時期も到来するかもしれません。
そのような悲劇的事態を招かないためにも、この本で学んだ叡智を
活かしていきたいものです。
最後にシャウベルガーの言葉を一部お借りして、未来にはばたく若者への
メッセージとさせて頂きます。
「(前略)今日の多くの若い人たちの考え方をみれば、なおも人類が
倫理的に健全であることは明らかである。彼らはいたるところで
生じつつある腐敗の徴候に強く反発し、経済的、文化的な袋小路に
迷い込む(・・・・・・)道を考えもなく進み続けることを拒む。
しかしながら、反発するだけでは何も成し遂げることはできない。
原因を突き止め、先行する世代や私たちが犯し、世界を破滅に導きつつ
ある過ちを明らかにしてこそ、若い人たちの努力は現実に成功を
収めることができるのだ。」)(本書357頁『我らが無益な骨折り』
から引用)
なお、「フリーエネルギー」にご興味ある方は、
「ニコラ・テスラ 秘密の告白~世界システム=私の履歴書
フリーエネルギー=真空中の宇宙~」
(ニコラ・テスラ著、宮本寿代訳、成甲書房、2013年初版第2刷)
を、ご紹介しておきます。
※「実現可能性」や「擬似科学」か否かの判断はいたしかねますが、
自由な思考法の参考にはなるかと思います。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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