夏目漱石が語る「自己本位」とは?「則天去私」気が楽になるコツは!?

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「うつ」で暗い日々を過ごしていたあの日。

同病者の「夏目漱石」に救われました。

生真面目な人間だけが、「うつ」になる?

いやいや、「誰もがほんの些細なことでなるのですよ。」

現代も明治末期から大正・昭和へと向かう時期に

似てきています。

そんな時代に、「気が楽になる生き方のコツ」を知りたい。

そんな方にお薦めの本が、「私の個人主義」

「私の個人主義」                     (夏目漱石著、講談社学術文庫、2010年版第65刷)

「吾輩は猫である」

「坊っちゃん」

未完成となった「明暗」

などで、知られる「夏目漱石」

全体的に「ユーモアに富む」と同時に「どこかもの悲しい」

雰囲気をもった一連の小説群。

これらの土台となった思想は?

そこに夏目漱石の人生観が表れています。

今では、空気のような存在である「個人主義」

しかし、日本人はまだその「本意」が

いまいちつかみ切れていないようです。

この本は、この「私の個人主義」とともに

以下の「エッセー」がまとめられています。

「道楽と職業」

「現代日本の開化」

「中身と形式」

「文芸と道徳」

いずれも、現代日本がいまだ解決できない「テーマ」です。

そして、漱石の晩年の言葉。

「則天去私(天に則(のっと)り、私(わたくし)を去る)」

この境地に至るまでの漱石の人生の煩悶や個人主義(「自己本位」)

の本意などを、現代にも学び活かしたいと思い、この本を取り上げます。

「現代日本の開化は皮相上滑り」

漱石の生きた時代は、「明治」

「文明開化」によって日本も西洋諸国に対して、

「追いつき追い越せ!!」のスローガンの下で

「富国強兵・殖産興業の道」を歩んできました。

当時は、知識階層も少数派。

一般庶民に「個人主義」という思想が、まだ

定着していませんでした。

そんな少数派の知識人である「漱石」は、大きな使命を抱いて

英国へ留学します。

「文学とはなんぞや?」

「文学と生活の関係」

など、「漱石」はこの「若き日本および日本人」

のために研究に励んでいました。

しかし、「漱石」はそんな研究に励めば励むほど、

「自信を失っていった。」

そして「漱石発狂せり!!」

こんな「漱石」が日本と英国の互いの文明の狭間で、

「神経症・うつ」に悩んでまで、つかみ取ろうとした

のは何なのか?

それは「文明の深化と個人本意の相関関係」

なぜか?

それは、「日本の文明開化は皮相上滑りだから。」

「自己本位から則天去私へ」

英国留学中の「漱石」は、深刻な精神的煩悶におそわれます。

近代文学を研究していた「漱石」でしたが、

なかなかその研究の「方向性」がつかめません。

焦った「漱石」が、やがてたどりついたのが

「自己本位」

「他人」を「お手本」とするのではなく、

「自己本位」で「自分の文学」を探求していく。

そのヒントが、江戸時代の俳諧や川柳・狂歌など

「諧謔・風刺(ユーモアと批評)の精神」

東洋文化からは、「老子や荘子」

その「無為自然の思想」だったようです。

「高等遊民」

少し前のテレビのドラマでも話題になった「キーワード」

「道楽と職業」

今風の言葉で言えば、「趣味と仕事」

どうやら、いつの時代も人々はこの

理想を追求しようとしてきたようですね。

「人生の貴重な時間を切り売りするわけにはいかない!!」

そうはいっても、

「生計を立てて行くには、『稼ぎ』が必要!!」

人はいつもこの狭間で「人生の貴重な時間」を、「悩み悶えて」

過ごしてしまいます。

「学校での成績と社会での稼ぎは、一致しない。」

これは、昨今よく話題になりますね。

むしろ「優等生」になればなるほど「罠」にはまってしまう時代。

では、生真面目な「内向型人間」はどのようにして

世に処していくのか?

私は、真剣に「漱石」に学びたいのです。

「自分本意の職業の確立=他人のニーズ」

これを満たすことが出来ればよい。

「理屈」では理解できます。

では、その「他人のニーズを掘り起こすには?」

このところで詰まってしまう方も多いことでしょう。

「やってみなければわからない。」

「もちろんそのとおり。」

でも、「稼ぎは?」

こうなると、もう堂々巡り。

そんな時に、「漱石」の小説に触れると精神が安定するようです。

現代日本では、国公立大学の「文系学部の廃止」など・・・

ついに、「行き着くところまで来た!!」

「すべてが金銭に支配される生き苦しい世の中」

社会に余裕がなくなってきたようです。

そんな時代になってしまうと、ますます殺伐としてしまいます。

だからこそあえて、「漱石」もそうだったように

「余裕派=高等遊民」を大切に守り育てていきたいのです。

それが、「社会の安全装置」となると思うのです。

私は、主流派の「社会の安全装置=法律関連業」からは

降りましたが、

「オルタナティブ=もう一つの代替」

である「文筆業」という「新たな志」を立てました。

皆さんも、

「固有の事情と折り合いをつけながら」

「できるところから一歩ずつ」

「新たな人生」を歩んでみませんか?

「誰でも必ず一つは得意技があるはずです。」

「天はあらかじめそれを与えてこの世に生み出してくれたはずです。」

まずは、そのことを「信じる」ところから再出発しましょう。

「自由と責任の調和」は、

そこから生み出されるものだと思います。

「柿食へば鐘が鳴るなり法隆寺」(正岡子規)

「漱石」の良き理解者でもありました。

秋にぴったりですね。

「飯食えば金が貯まるぞ我が身かな」(管理人)

こんな「戯れ歌」を作ってみました。

「人生にはおかしみ・軽さ」も必要です。

「則天去私」

この言葉は「勇気を与えてくれる合い言葉」

お互いに、精進して「幸福街道」を歩いていきましょうね!!

最後までお読み頂きありがとうございました。

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2 Responses to “夏目漱石が語る「自己本位」とは?「則天去私」気が楽になるコツは!?”

  1. √6意味知ってると舌安泰 より:

     ≪…「則天去私(天に則(のっと)り、私(わたくし)を去る)」…≫を、京のヒフミヨ巡り で数の言葉ヒフミヨ(1234)に触れる。

     数の川を 隔てて カオス哉

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