「minimalism~30歳からはじめるミニマル・ライフ」無理をしない「緩やかなシンプルライフ」から再出発!?

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「minimalism~30歳からはじめるミニマル・ライフ」

ジョシュア・フィールズ・ミルバーン氏と

ライアン・ニコデマス氏が結成した「ザ・ミニマリスツ」は、

21世紀における怪物「経済生活革命宣言」か!?

現代先進国では、モノに満ち溢れる反面、「経済格差」が

拡大してきたと言われています。

一方、世界に目を転じれば、「何を悠長な!!」と

思われることでしょう。

今回は、この本をご紹介します。

「minimalism~30歳からはじめるミニマル・ライフ~」(ジョシュア・フィールズ・ミルバーン+ライアン・ニコデマス共著、吉田俊太郎訳、フィルムアート社、2014年第2刷)

本書は、

ジョシュア・フィールズ・ミルバーン氏(以下、ミルバーン氏)と

ライアン・ニコデマス氏(以下、ニコデマス氏)による

『The  Minimalists:  Essential  Essays』全文の邦訳です。

この二人組は、アメリカの人気ブロガーであるそうで、

「The  Minimalists(ザ・ミニマリスツ)」なるユニットを結成。

現代先進国を中心に、世界中の「ミニマリスト(最小限生活主義者)」の

間で、秘かに話題となっているようです。

アメリカでは、各種大手メディアにも取り上げられ、

「シンプルライフ」をテーマにした著作は、いずれも「ベストセラー」と

なっているとのことです。

ところで、現代先進国では、官民問わず、これまでの経済運営が、

うまく機能していないようで、大多数の国民の間では

根強い「経済的不安(不信)感」が強まってきています。

こうした現実の前で、多くの若者世代を中心に

自前の「経済防衛策」として、

こうした「最小限生活」をテーマにした生活情報(思想)に

注目が集まっています。

もはや、人任せにする時間的ゆとりもない中で、

静かに主流経済秩序から「降りていく生活」を実践される方々も

増加し続けています。

かといって、このような「降りていく」社会風潮があまりにも拡大し過ぎると、

現代経済社会が営々と築いてきた「経済的恩恵」も今後享受することが

難しくなるとともに、世界規模での貧困問題解決手段の多様性の確保が

奪われてしまうのではないかなど、現実的な行き詰まりも懸念されるところです。

21世紀現在、先進国では、貧困問題解決手段の一つとしてテクノロジー開発に

力が注がれていますが、これもひとえに「経済的ゆとり(資本力)」があるためです。

そうした現実もあるため、万人が「最小限生活」を送る訳にもいかない経済構造が、

すでに現代先進国経済生活の基底には組み込まれてしまっています。

本書を読み進められるに当たっては、まず、このような現状認識から

「最小限生活<原理主義>」へと自他ともに追い込むような「価値観の押しつけ」に

ならないように注意を払う必要もあるようです。

本文で語る予定でいますが、『パート6 パッションとミッション』と題した

テーマ記事「ミニマリストの経済と予算」の冒頭文でも、

『僕はミニマリストであってコミュニストではない。それにミニマリストは

お金にアレルギー反応を示すわけでもない。』(本書149頁)との

「宣言文」からも読み取れるように、

1960~1970年代のヒッピー文化の「限界」も

見据えたうえでの現実的な論考となっています。

なかなかどうして、現代の若者も、逞しく頼もしいものです。

昔の世代に比べると(失礼!!)、現代の若者も、

テクノロジーを駆使するなど、「静かな革命!?」を起こしているようです。

「革命」も「洗練されている」ようで、昔なら「ブルジョワのお遊び」などと

互いに「自己批判」などしたのでしょうが、私たち若い世代は、

そのような「闘争など<愚の骨頂>!!」だと感じています。

いかなる意味でも、<原理主義的思考>の行き過ぎは、

危険性の高いものだと認識しているからです。

共著者も、その点は十二分に認識されているようで、各人各様の、

無理のない「控え目バージョン(小さな一歩から・・・)」(本書175頁)から

行動に移すようにと勧められています。

個人的(ミクロ)には、正しい行動でも、社会全体的(マクロ)では、

予想外の「損失」を被ることを、経済学では「合成の誤謬」というようですが、

生活実践に当たっても、その理屈は当てはまるようです。

「無理をし過ぎることは良くない」と・・・

共著者が、本書で提唱されている「最小限生活」の最終目標も、

あくまで、「生活の質」を高め、健全な社会批評的視点を持つことで、

自らの人生を「より良く」することに設定されています。

「過剰になり過ぎた現状生活を、まず見直すこと」

ここから、あらたな再出発が始まります。

ということで、皆さんにも本書をご一読されることによって、

日頃の「生活観」から「人生観」に至るまで、見つめ直すヒントの書として、

多少はお役に立つのではないかと、この本を取り上げさせて頂きました。

無理のない範囲で始める最小限生活論!?

本書は、共著者の日頃のブロガー活動から生み出されてきた

エッセー記事が基になって出来上がった本のようです。

いずれも、読みやすいブログ調の語りかけながら、密度の濃い内容に

仕上がっています。

さて、本書は7つのテーマで、書き下ろされています。

①「今を生きる」

②「心の健康」

③「成長」

④「貢献」

⑤「パッション(情熱)とミッション(使命)」

⑥「行動を起こす」

⑦「変化と試行錯誤」

であります。

本書の要約を共著者の表現をお借りすると、

『ミニマリズムとは、幸せと満足感と自由を見つけだす目的で、

人生において本当に大切なものだけにフォーカスするために、

不必要な過剰物を取り除くためのツールである』(本書19頁)

という趣旨の下で、上記の7つのテーマで綴られたエッセーであります。

「人生は短く、欲望に限りなし」とは、よく言われますが、

現代先進国における豊かな経済生活を当たり前のように享受している分には、

この言葉の前半「人生は短い」という事実を見事に忘れ去ってしまうようです。

本書は、どのような人間にも当てはまる「当たり前の真実」に目を向け直すように

再思考を促す「生活再建論」でもあります。

ことに、『パート6 パッションとミッション』におけるエッセーである

「ミニマリストの経済と予算」(本書149~162頁)は、必読であります。

「まず、最小限生活を維持するうえで必要な額を決定すること」

「そのうえで、多少ゆとりを持たせた収入額(稼ぐ額)を仕入れること」

「最後に、一番重要なことは、支出を収入の範囲内に抑えること

言ってみれば、どれもこれも「当たり前」のことですが、

現代先進国で暮らす私たちは、ついついこの現実的制約を忘れて、

必要以上の消費へと向かい、結果、貯金を取り崩し、借金はしないまでも、

余裕のない状態へと、いともたやすく誘導されてしまいます。

とはいえ、それはあくまで、本人の「責任」ですが・・・

30歳を区切りに一度人生を見つめ直すことの重要性

30歳ともなれば、昔は、『論語』(孔子)の格言にもあるように、

「独り立ちする時節」であります。

とはいえ、現代人は、孔子の生きていた時代とも

大きく異なる「長寿」社会でありますので、「人生は短い」という事実から

容易に目をそらしてしまうような仕組みになっています

意識して、自分の「人生観」や「生活観」を考えながら過ごしていかないと、

あっという間に「人生の黄昏時」を迎えてしまうことにもなりかねません。

30歳は、江戸時代で言うなら「若年寄」とも「ご隠居様」とも

世間的に呼ばれてもおかしくない年頃であります。

つまり、世間的には、10代後半から20代に社会に出た後、

そろそろ社会的経験を踏まえた思慮分別がつき始める「知恵者」としての

役割も課せられます。

そんな社会的な側面からも、30歳を区切りに一度人生を見つめ直す必要が

あります。

「人生の目的」(個人的意義)

「社会貢献」(社会的使命感)

いずれも、簡単には、「正解」など見つかりませんが、

30歳を過ぎれば、「いつ死んでもおかしくはない!!」との

先人の知恵には、真摯に学びたいものです。

だからこそ、「30歳からはじめるミニマル・ライフ」であります。

こうしたテーマの書物を読み進める際に、管理人がいつも心に思い浮かべる本に

サマセット・モームの『月と六ペンス』があります。

この本の主題も、「人生の短さと先行きの不透明性から(つまり、

死を見つめることから始めよ!!)今この瞬間に決断することの

重要性」にあります。

「死から逆算して、より良き人生を過ごす」ということであり、

「より良く生きるために、腹をくくる(つまり、死の予測不可能性を見据えて)」

ということです。

とはいえ、共著者も本書でたびたび強調されていますように、

各人各様「無理のない範囲」での「緩やかなシンプルライフ」を

提案されています。

「生活再建」を思い切って決断し、再出発するにしても、

「計画性」も必要です。

行き当たりばったりの生き方も、それはそれで尊重に値しますが、

誰しも出来るものではありません。

「常人には、どうしても無理が祟る」からです。

そうした点も、十二分に配慮した「生活再建論」となっています。

詳細は、本書をお読み頂くとして、

著者は、この再出発に向けた「決断」について、

『「したほうがいいリスト」VS「マスト事項」』を互いに検討することで、

「より良き」人生のための「最優先リスト」を作成することを勧められています。

「再出発」にも、「羅針盤(人生の指針)」が必要になってきます。

通常の「世間体」から判断すると、

前者もいわば「すべき(To  do)リスト」に当てはまるように思われますが、

本書の「最小限生活(より良き人生のための改善生活)」の視点では、

いわば「しないことリスト」ということになりましょう。

後者の「マスト事項」こそ、

人生で何よりも大切にしたい「すべき(To  do)リスト」であります。

結局、「人生は短い=30歳(別に30歳でなくても構いませんが・・・)を

過ぎれば、いつ死んでもおかしくない」という視点を持たないことには、

「決断」は、いつまで経っても「先延ばし」されるだけになります。

「人間は、何のために生きているのか??」

社会貢献(使命感を持って生きろ!!)と言われても、

世間が決めた流儀に従って、人間が生きる必要もありません。

人間なら誰しも自らの「固有の時間」を生きてもいいのです。

「価値観」の問題は、あくまで「自由意志(自己責任)」の範疇に

属するものでもあるからです。

とはいえ、本書でも主張されているように、

人間は、上記に掲げられた

③「(人間的)成長」のために、

④自分の感性や能力に適した「(社会的)貢献」を、

⑤「パッション(情熱)とミッション(使命)」をもって、

生きた方が、「生活に張り合いがある!!」というものです。

単なる主流秩序から脱落した「隠者(出世間者)」では、

生きた甲斐もないですし、生きた心地もしないでしょう。

ここからは、あくまで管理人の私見ですが、

現代の「隠者(仙人)」は、行き過ぎた現代社会に対する

「優れた批評的眼力」と「改善案」を持ち合わせた「賢者」の道を

歩みながら、世俗社会のサポート役に徹さなくてはなりません。

つまり、「天下のご意見番」も、

『世間とは適度な距離を置きつつも、ともに「より良き」方向へと

歩むべき義務がある!!』ということです

共著者も、世間的に賞賛されるような暮らしを捨てたうえで、

再出発されたそうですが、個人的人生にとっても、社会的進歩の

ためにも、一度は「現状」を捨ててかからねば始まらない時期も

人生にはあるということです。

それが、「30歳からはじめるミニマル・ライフ」とも

相通じる思想のようです。

ミルバーン氏は、

「この30年で僕が学んだ30のこと」(本書81~98頁)

として、

①「愛してこそ人間」

②「愛だけでは不十分」

③「幸福はどんな店にも売っていない」・・・・と以下、

「30」項目を列挙されていますが、

全部掲げると、読者の皆さんの楽しみを奪うことにもなりますので、

残りの項目は、是非本書をご一読して頂くことをもって

代えさせて頂くことにします。

共著者の「人生観」としては、

「生きるとは与えること」(本書100~106頁)とのことで、

人間は、「創造的な建設」をこの世で果たしていくことに

最大限の意義があるのだろうとされています。

「お金(稼ぐ力)」や、「知力その他各種<社会的能力>」などの

評判力がなくとも、人間は、社会に積極的な貢献を果たすことが

必ず出来ます。

管理人も、著者ほどではないですが、微力ながら、

書評ブログを通じて、「人様と人様とのご縁」を結ばせて頂いたりしながら、

「社会貢献」させて頂いています。

本当に有り難いことであります。

30代後半に差し掛かるにあたり、

こうした感慨深さを味わうように成長させて頂いたのも、

ひとえに数多くの人々や書物などのおかげであります。

心底、「おかげさまで」「ありがとうございます」の気持ちで一杯です。

「捨ててこそ」(一遍上人とも空也上人とも??)という言葉が

ありますが、

人間、何かに徹するためには、この「<捨ててこそ>の心」を持つことも、

「より良き」人生を目指すための「決断」には誠に大切なことであります。

そうでなくては、本書で何度も強調されてこられたように、

一向に「覚悟」が定まらないからです。

「人生が、どこか薄っぺらいもの」になってしまうのですね。

人間誰しも「あらたなる第一歩」は、不安や恐怖に駆られますが、

それは誰しも同じことであります。

最後に、本書のミルバーン氏のエッセーのタイトルで

筆を擱かせて頂くことにします。

「山に身を置くこと」

これは、後先考えず「いま・ここに生きる」ことに徹するという趣旨の

ようで、「決断」を下すためにも「退路を断つことの勇気」について

表現された言葉だそうです。

「生きるプロセスそのものを楽しむ」ということです。

そのような真剣な眼差しで、この世界を歩けば、

これまでとはまた違った「新世界」も眼前に立ち現れることでしょう。

「最小限生活(ミニマリズム)」とは、そのための一つの処方箋であります。

その具体的な生活実践内容は、各人各様「自由」であります。

このゴールデンウイーク中に、少し先を見据えた生き方を見つめ直すための

ヒントとして、本書をお薦めさせて頂きます。

なお、「シンプルライフ」については、

「シンプルに暮らす100の方法」

(イレイン・セントジェームズ著、田辺希久子訳、PHP文庫、2011年)

をご紹介しておきます。

※「最小限生活(ミニマリズム=シンプルライフ)論」は、

今後とも積極的に多種多様な角度からご紹介させて頂く予定ですので、

乞うご期待でございます。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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