武道家甲野善紀さんの「今までにない職業をつくる」を読み、固定観念を打破する智慧を学ぼう!!

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「今までにない職業をつくる」

武道家の甲野善紀さんは、この本で

自らのご経験から積極的な提言をされています。

独立武道家として、どこの団体にも所属しない

現代の武士として孤高の道を切り拓いてこられました。

「古武士」としての風格をお持ちです。

かつて、江戸時代以前の武士には、確固たる地位が

確立されていなかったといいます。

「甘えが許されない自らに課した厳しい掟」の下、

数々の修羅場をくぐり抜けざるを得なかったのです。

今回は、この本をご紹介します。

「今までにない職業をつくる」               (甲野善紀著、ミシマ社、2015年)

甲野善紀さん(以下、著者)は、現代に生きる古武士です。

武道家として、どこの団体に所属されることもなく、

自らの感性と霊性に従って独自の道を歩まれてこられました。

大学時代には、畜産学部に進学するも「現代の食のあり方」や

「現代経済を成り立たせている考え方」に強い疑問を持ち、

「世の中の仕組みが自然からずれていること」に強いショックを

受けられました。

大学卒業後は、就職せずに数々の師匠を探しながら、

自ら信ずる師匠に私淑するなどしながら、

これまで孤高の道を選択してこられました。

最近、学校教育でも「武道が必修化」されましたが、

著者は少なくとも今あるような「武道のあり方」には

疑問を持っておられるようです。

また、オリンピックなどの現代武道もスポーツ化しており、

現代体育教育での身体の使い方にも、自然から相当離れ

無理を強いている状況から、強い疑問をお持ちのようです。

「今までにない職業をつくる」

今回のテーマですが、『現代の日常生活に「武道の智慧」をいかに

取り入れ活かしていくか?』を問いに様々な道を模索されてこられました。

ここ10数年の間で、介護分野などで武道から得られる術を活用する方法など

数々のメディアで取り上げられるとともに、著者の知名度も高まって参りました。

現在は、「松聲館」も主催しておられるようです。

「現代人は、自然から離れ無理をしすぎている!!」

「自らの感性と霊性を研ぎ澄ませ、本当に使える智慧にまで高める生き方!!」

を、モットーにして「独立精神」を今日まで養ってこられました。

2015年現在、もはや「既存の秩序」は崩壊寸前で

人々の生活も外部の環境によって絶えず危機にさらされています。

このような厳しい現況の中で、いかに「自ら信ずる道」を切り拓いていくのかは、

すべての人間にとって避けがたいテーマです。

今回は、そんな不安を抱えておられる方々に

著者の智慧がお役に立つかと思い、

この本を取り上げさせて頂きました。

不安に満ちた現実の前で、「孤高の道」を切り開く智慧とは??

著者は、教育を含め現代社会の大きな問題点は、

「人間が自然から自らを切り離して安心している」状況にあるとされます。

知性偏重教育に拍車がますますかかっていく一方で、

身体能力が軽視されていく現状に対して、

強い警鐘乱打を鳴らしておられます。

すでに出来上がった仕組みの中で、満足していられる方が不思議だと・・・

太古から人間は、絶えず自然と厳しく向き合いつつも自然の生態系の中で

バランスを崩さない工夫をして生き抜いてきました。

ところが、17世紀辺りから400年ほどで

人間の極端な進歩活動によって自然の生態系が壊されていきました。

おそらく、現況ではかなり深刻な状況にあるものと思われます。

本来、厳しく不安定な環境の中で生き抜いてきたはずの人類が

なぜ今「不適応状態」に陥ってしまったのか?

知識に頼ってきたとはいえ、それはあくまで学校教育や社会でよしとされた

価値観によって認められたものしか身につけてこなかったようです。

「自ら感じ、自ら考えることにより、現状に常に疑問と危機意識を持つ」

ところから、「真の生きる術(智慧)」は身に付くとされています。

このような「面倒くさい」ことから逃避して、「便利さ・効率性・生産性」を

追求してきた結果が、今日の錯乱状態をもたらしてしまったようです。

ここまで、おかしくなっている現代社会で生き抜くためには・・・

いかなる姿勢で臨むべきか?

著者は、この本で数々のヒントを与えて下さっています。

「下手に動かず、何もしない、あるいは、何をするか徹底して考える」

「時には、意識しないで自らの身体感覚を信じながら一歩を踏み出す」

ことから現状打開は始まるのだと語ります。

著者のご専門の武道の言葉では、「居着くな!!」ということです。

「変幻自在、自由自在に柔軟な姿勢を保つ工夫と智慧」こそが、

乱世には遠回りのように見えて、結局は役に立つのだとも・・・

自立とは、自分なりの覚悟!!

先を読む能力とともに、自らの生き方に誇りを持つことが出来るかが

一番大切だと語ります。

「生き抜くための独特の勘」とでもいうのでしょうか・・・

経済的自立は、もちろん現代貨幣経済社会では重要ですが、

「人生に処する己の矜持と方針」が、確固不動のものとして

確立されない限り、いつまでも生計のみを指針として生きなければ

ならなくなります。

人間は、精神的生き物だったはずです。

「武士は食わねど高楊枝」

「やせ我慢」

現代日本社会の黎明期に生きていた福沢諭吉でさえ、

幕末から明治にかけて、このような精神を持っていたようです。

一億総サラリーマン・起業家となり、「生産性重視」だけで

駆け抜けてきた結果、今日の荒廃をもたらしました。

何も「生産性重視」だけの生き方が賞賛されなくてもよいのではないか?

高い志を持った人財は、貧しくとも危機意識を持ち向上心を持った人間から

生まれてきたともいいます。

江戸時代の商人や、つい数十年前までの大阪商人には「心学」を学び

経済と道徳を両立させてきた事業家もたくさんいました。

やはり、「高度経済成長期からバブル期」によって

日本人の心にもたらされた負の遺産は大きすぎたのでしょうか?

とはいえ、この「失われた20年」で

本来の意味での「自立(自律)・独立精神」に目覚めた若者も続々と現れてきています。

著者も一押しで、前にも当ブログでご紹介させて頂いた

「独立研究者」森田真生さんや

この本を手がけられた「小さな独立系出版社」ミシマ社など、

全国各地に少しずつ

この「失われた20年間」に蒔かれていた種が発芽し、

すくすくと成長してきているようです。

「今までにない職業をつくる」

それは、既存の価値基準や旧い陋習を打破することから始まります。

著者が、示唆してくれている最大のヒントが、

「人間にとっての自然とは何か」

「自分自身の正直な実感を通して自分の道を切り拓く」方法を、

絶えず問い続け、勘を研ぎ澄ませていくことだということです。

管理人も、ささやかながら「自らのプロジェクト」を進行中です。

優れた方々の後に続いて、次世代に明るい未来を届けていきます。

「我以外皆我が師」(吉川英治)

高い志を持った皆さんとともに、歩んで参りましょう。

「優れた書籍の紹介を通じて、高い志を持った方々との縁を取り持つ!!」

それが、管理人の仕事であり、志でもあります。

管理人も「今までにない職業をつくる」を模索中です。

是非、皆さんにもこの本をご一読して頂き、

「語らいの場」を創造していくことが出来ればいいなぁ~と考えています。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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