「孤独に強くなるために!!」諸富祥彦先生の「孤独であるためのレッスン」を受ける!!
人生を充実した時間にするために必要なこと・・・
それは、「孤独と向き合う時間を大切にすること」です。
きちんと社会と向き合っていくためには、
自分の中に「強い芯」となる「心の御柱」を打ち立てなければ
なりません。
そこで、今回は「孤独と向き合うコツ」を学ぼうと
諸富祥彦先生の「孤独であるためのレッスン」を受けることにします。
そこで、この1冊をご紹介します。
「孤独であるためのレッスン」 (諸富祥彦著、NHKブックス、2001年)
著者は、前にもご紹介させて頂いた「フランクル心理学」
など「トランスパーソナル心理学」がご専門の心理学者です。
まず「タイトル」がいいですね。
「孤独になるためのレッスン」ではなく、
「孤独であるためのレッスン」。
現代社会では、「ひとりになる」時間が年々歳々少なくなっていく
傾向にあります。
また、幼い時から「友達100人できるかな~♪」なんていう
「強迫的な歌」を口ずさむように誘導されていきます。
この歌が「少年少女の心」に与える影響を大人は真剣に考えたことが
あったのでしょうか?
歌は「無意識の心」に多大な影響を与えます。
このことが原因で「精神的トラウマ」になる日本人は多いと思います。
日本人は、「世間の目を過剰に気にする」性格があります。
一概に断定することは出来ませんが、この歌を喜んで受け入れる方は
少ないのではないかという感じがします。
「ひとりでいることは悪いこと」だとされる「教育環境」の中では、
萎縮してしまうと思うのです。
もちろん、人の性格は多様なので決めつけることは避けねばなりません。
それでも、管理人を含め多くの方が「心の傷」で大人になっても
悩み苦しんでおられると思い、ここに取り上げさせて頂きました。
人は「孤独な時間」の中でこそ成長する!!
心理学では、「自我」が中心テーマとなるようです。
果たして、「自我」とは何か?
あるのかないのかも定まっていないようです。
仮に「自我」が存在するものとして、
「自我」は強いものなのか、弱いものなのか?
人間は、社会の中で「心理形成」をしていく生物です。
おのずと「周りの社会環境」に影響されます。
読者の方がイメージしやすいように、
仮に「自我=自分の芯=心の御柱=大黒柱」とします。
ここの部分がしっかりしていないと「世界という名の風」
になぎ倒されてしまいますよね。
私たちは、幼少時から「教育」されていきますが、
「人間の社会化」に過剰に偏っています。
この「教育」では、人間の「自我」は弱いものと仮定
されていますので、外から「補強」してやろうということに
なります。
ですから、「集団教育」が日本では主流だったのでしょう。
そのため、「個性尊重」とは名ばかりで「一人一人の心の内」を
重視する「内観教育」は無視されたのでしょう。
「集団教育」とは別に「個別教育」に比重を移していかないと
さらなる「犠牲者」を生み出し、日本も「孤立」していくものと
思われます。
「自我の強化」は、「孤独な時間」にしか養うことは出来ません。
孤独であるための8つの条件
著者は、「トランスパーソナル心理学」を重視しています。
管理人の解釈では、「トランスパーソナル」とは、
外向けの「自我」よりも内向けの「自我」に寄り添うことで
「もう一人の自分」に出会うことだとイメージしています。
その「もう一人の自分」から、普段の「よそ行きの自分」を
俯瞰的に見つめ直す作業を「孤独な時間」の中で行うものだと
考えています。
さて、著者は「孤独であるための8つの条件」として下記の
「条件」を挙げておられます。
① 「わかり合えない人とは、わかり合えないままでいい」と
認める勇気を持て。
② 人間関係についての「歪んだ思い込みやこだわり」に気づけ。
③ 自分の人生で「ほんとうに大切な何か」を見つけよ。
④ 「自分は間もなく死ぬ」という厳然たる事実を見つめよ。
⑤ 「たった一つの人生という作品」をどうつくるか、絶えず
構想しながら生きよ。
⑥ ソーシャルスキルを身につけよ。他人の話を聴き、他人を認めよ。
⑦ 「この人だけは私を見捨てない。どこかで見守ってくれている」。
そう思える人を見つけよ。
⑧ 自分だけは自分の味方であれ。「自分を見守るまなざし」を自分の
中に育め。
管理人は、①と⑦の「条件」を知ってからは「生きるのが多少ラク」に
なりました。
ただ、自分にとっては②と⑥の部分が弱いところがあるので「人生の課題」
として「死ぬまで」学び続けることでしょう。
「自分の世界を確立」するということは、同時に「世界」と摩擦することも
意味します。
ここで、「内向型人間」である管理人はいつも「緊張」してしまいます。
「自分が傷つくこと、他人を傷つけてしまうこと」に敏感に反応してしまうのです。
その結果、周りから「オープンマインド」と言われても
「心を閉ざして」「心の壁」を作ってしまうのです。
かといって、この部分を「保護」してやれるのは自分だけでもあります。
それが、⑧の「条件」と符号します。
③と⑤は、いつも「意識」していることなので「より洗練」させていくのが
「人生の深化」だと思っています。
と、ここまで考えてみると最後は④が何にもまして大切だということです。
「自分と他人(世間・世界)」と和解して「生きやすく」なるためには、
常に④を意識することです。
この④さえ意識していれば、「評価や比較」とは無縁になれると思います。
「マイナスエネルギー」を感じた時には、皆さんもこの④を意識してみては
いかがでしょうか?
管理人の「考察」がどこまで有効かは「自分の人生」の中で、絶えず検証して
いくことになります。
この「考察」が、皆さんのご参考になるかどうかは心許ないことですが、
是非「孤独であるための8つの条件」を実践して頂ければ「生きづらさ」も
多少は解消するのではないでしょうか?
幼少時から植え付けられた「ダブルバインド心理状況」に悩むすべての方へ
お届けさせて頂きます。
なお、「孤独」についてもっと深く考えてみたいという方へ、
「孤独と上手につきあう9つの習慣」
「コフート心理学」の影響を受けた精神科医である
和田秀樹先生の著作(大和書房、2015年)です。
「人にも時代にも振りまわされない-働く女の仕事のルール
~貧困と孤独の不安が消える働き方」
(有川真由美著、きずな出版、2015年)
働く「女」とありますが、「女」以外の方でもご参考になる本です。
「孤独になれば、道は拓ける」
(千田琢哉、大和書房、2015年)
「孤独について~生きるのが困難な人々へ」
(中島義道、文春文庫、2008年)
戦う哲学者として定評のある中島義道先生の本です。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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[…] 著者のご著書については、これまでもご紹介(記事①、記事②)させて […]