アンディ・アンドルーズさんの「バタフライ・エフェクト~世界を変える力」複雑系科学から学ぶ仮説思考と確信的推進力志向!!

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「バタフライ・エフェクト~世界を変える力~」

ホームレスから立ち上がったアメリカの作家である

アンディ・アンドルーズさんが、理解困難な「複雑系科学」の

物語「バタフライ・エフェクト」を語ってくれています。

広告宣伝でも一躍、一般向けに有名になった「バタフライ効果仮説」・・・

人によっては、単なる「神話(おとぎ話)」にしかすぎないとの

見方もあります。

ですが、そのような表面的な見方で無視し去るのは、

大変もったいないですよ!?

今回は、この本をご紹介します。

「バタフライ・エフェクト~世界を変える力~」(アンディ・アンドルーズ著、弓場隆訳、鎌田浩毅解説、ディスカヴァー・トゥエンティワン、2011年第2刷)

アンディ・アンドルーズさん(以下、著者)は、アメリカの作家で

アラバマ州生まれ。

高校卒業後、若くしてご両親を亡くされ、ホームレス生活という

裸一貫のどん底を経験され、自信喪失してしまっていたところ、

ある老人との出会いが縁になり、「心機一転」あらたな人生の

再出発の旅を開始されました。

その後、この縁を皮切りにコメディアンとしても人気を博した後に、

現在の作家業に転身された方です。

全米各地での講演活動でも、評判になり、ニューヨーク・タイムズ紙では

「アメリカで最も影響力のある人物の一人」とされているようです。

いかにも、「超格差社会=超実力主義社会」である国で夢をつかむ

「アメリカン・ドリーム」の体現者のように見えますが、

著者もまた、この本のタイトル『バタフライ・エフェクト~世界を変える力~』の

ように「不死鳥」として甦ったようです。

その陰では、もちろん本人の努力もありますが、人びととの微小な縁と

相まって、世界を変える結節点として、自信喪失状態から

再チャレンジしようとする原動力になったようです。

3月(春)は、そんな寒い「どん底の季節(冬)」からの

再出発に相応しい「温かい季節」でもあります。

わずか85頁の「小冊子」でありますが、余裕無く時間ばかりが過ぎ去ってしまう中で、

焦りを抱え、なかなか前に進む勇気が出ないと思われる方にこそ、最適の好著です。

大人になればなるほど、子どものような純粋な加速推進力や知的好奇心を忘れてしまいます。

だからこそ、疲れた時には童心に返る魂(初心)に、よい物語と言葉で潤す

「静寂の時間」が大切になってきます。

訳者は、様々な「自己啓発書」を紹介してこられた弓場隆さん。

解説者は、各メディアで人気沸騰中の「火山学」をご専門とされる

著名な地球科学者で、ご自身も優れた「自己啓発書」を世に問うてこられた

京都大学大学院人間・環境学研究科教授であられる鎌田浩毅さん。

このお二人の名コンビとともに、「バタフライ効果仮説」を学んでいきます。

この「バタフライ効果仮説」は、もともと気象学者であった

エドワード・ローレンツ博士によって提唱されたものです。

そうした縁でも「地球科学者」のナビゲーター鎌田浩毅先生は、

力強い解説者となってくれています。

ということで、再出発を目指しながら、「世界を変える力」をともに

身につけていこうとの企画で、この本を取り上げさせて頂きました。

バタフライ・エフェクトと複雑系科学

この「バタフライ・エフェクト(バタフライ効果仮説)」については、

これまでもたびたび当ブログで触れてきました。

前にも当ブログでご紹介させて頂きました「複雑系科学」の分野で

創生されてきた「仮説理論」であります。

21世紀現在、社会が複雑になればなるほど「単純(シンプル)な」

仮説理論は軽視されがちになります。

そうした、ますます複雑になっていく社会に親和性を持つ科学研究が

複雑系科学」なのですが、「複雑なものこそ、単純明快に」示す仮説提示も

同時に要請されるようになります。

この「複雑系科学」は、情報経済社会において「サイバネティクス理論」とともに

進化発展してきた最前線の科学分野であるようです。

ところが、「複雑系は、複雑なだけに理解困難!!」ともされ、「再現性」「反証性」に

重点を置いてきた従来の「単純明快系??科学」の立場からは、「擬似科学扱い」もされ、

「取り扱い注意、触らぬ神には祟りなし!!」のように、厄介者扱いされてきました。

その一つに、今回ご紹介させて頂く「バタフライ効果仮説」があります。

「バタフライ効果仮説」は、日本では比較的知られる表現になった

百(一)匹目の猿現象」(船井幸雄氏)だとか、

シェルドレイク仮説」とも称されてきたようです。

とはいえ、個々の「仮説物語??」には、微妙にして大きな差異もあるようですが、

今回は「擬似科学」をテーマに考察するのが、主題ではありませんので、

科学的観点からの分析は控えさせて頂きます。

ただ、昨今科学の世界では、一つの真実を無理矢理貫き通すような形態としての、

科学的イデオロギーへの反省から、「仮説(システム)思考」として、

「あたらしい科学哲学」が模索されています。

科学を本来の良識ある学問に取り戻そうとの動きもあります。

19世紀末期から20世紀半ば(17世紀<科学革命>、18世紀<産業革命>

とともに推進されてきた)、現代科学は「相対論」と「量子論」という

二大科学理論によって、あまりにもうまく機能し過ぎたために、科学そのものの原点が

忘れられて、「神話化(イデオロギー化)」していったことも反省されています。

その意味で、20世紀末から21世紀現在に至るまで、こうした「あらたな科学哲学」の

一部門である「複雑系科学」の進展とともに、見直されている最中でもあります。

まとめますと、「科学と擬似科学の境界線」は、これまでの科学史の過程においても

絶えず揺れ動いてきたために、「仮説としての科学」という思考法そのものに

本来の重要性があったのだとの見方へ「再回帰」の途上にあるということです。

さて、もちろん、このように「科学と擬似科学」の厳密な整理整頓をしなくては

ならないことは、言うまでもありませんが、「擬似科学」だからといって、

一概に排斥してしまう考えも、ある意味で恐ろしい思想(思考法)であります。

社会的に有害でない限りは、科学と擬似科学の境界線を引きつつも、

有効活用していくのも、賢者の転ばぬ杖でありましょう。

科学的な「仮説理論」としての「バタフライ効果仮説」。

通俗物語としての「バタフライ・エフェクト」。

一応、以後の語りをわかりやすくするために、このように区別しておきます。

前者については、本書巻末における鎌田先生のわかりやすい解説がありますので、

詳細は本書をお読み頂くとしまして、簡潔にご紹介しておきます。

後者の通俗的な物語との違いは、本来の「複雑系科学」として創生されてきた

「バタフライ効果仮説」は、「近未来予測不可能性(不確定要素がありすぎるために、

意味の確定が出来なくなる!!)」という「仮説理論」であり、

ある種の「確率・統計的見方」を提示するものであります。

ですから、例えばA点の観測が、そのままB点での観測とまったく同じ意味をもって

説明(予測)が出来るとの、通俗的理解は誤解だということです。

「同時存在性ではなく、波及力(影響力=関連性)の問題」を取り扱っているのが、

「バタフライ効果仮説」であります。

そのように、鎌田先生も解説されておられます。

つまり、科学的世界のみならず、人生(通俗世界)一般においても、

未来は不確定要素に充ち満ちており、予測不可能ということであります。

ところで、「未来経済」においては、こうした「仮説思考」とともに、

「仮説そのもの」が「確信的推進力」として稼働されていくような

力強い「前進力」といった経済観も必要となるようです。

こうした新しいものの見方も、「低欲社会」などと低評価されがちな

現代社会においては、必要だとも思われます。

なお、鎌田先生によると、「バタフライ効果仮説」の提唱者

エドワード・ローレンツ博士は、『ローレンツカオスのエッセンス』(共立出版)

として邦訳もされており、1991年に稲盛和夫財団による京都賞(基礎科学部門)

も受賞されているとのことです。

誰しもなにがしか「世界を変える力」を持っています!!

それでは、「通俗物語」としての「バタフライ・エフェクト~世界を変える力~」

話題転換させて頂きましょう。

本書の役割は、自信喪失状態からの回復を目指す精神的栄養補給のための「叡智の書」。

本書導入文から引用させて頂くと、

『あなたは今、こんな疑問をいだいているかもしれません。

自分の人生にはどんな意義があるのだろう?

自分は本当に世の中の役に立っているのだろうか?

自分が何かをすると、世の中に影響を与えるのだろうか?

はたして自分はこの世の中で重要な存在なのだろうか?

もしあなたがそんな疑問をいだいているなら、

この小さな本の中に、その答えがあります。』(本書3~6頁)

そんなドラマティックな問いかけから始まる物語です。

本書が、単なる「自己啓発書」と異なる長所は、

「出来もしないことを急かさないこと!!」

この一点に集中しているようです。

一口に「自己啓発書」と言っても、ピンからキリまでありますが、

本書は、「極端な背伸びを迫らせない」ところに魅力があります。

それだけでなく、この複雑で急速な時代の変化の中で、

あたかも「流されている」かのような無常・無縁に見える

殺伐とした荒涼観のある世界に対するイメージ像を転換させてくれる好著です。

「その時、その場からのどんな小さな自らの第一歩でさえ、わずかな反響をもたらす!!」

もちろん、本書もまた「より良き行動のススメ」でありますが、

こうした静かな語りかけにも、勇気が湧き出てきます。

著者自身、ホームレス生活の中から勇気ある第一歩を踏み出してこられただけに

説得力ある効果が、本書のテーマである「バタフライ・エフェクト」とともに

伝わってきます。

人類は、これまで様々に複雑な世界に向けて、

懸命に挑戦しながら進化発展してきました。

その過程は、決して単純にして平坦な道のりだけではありませんでした。

時には、殺伐とした喧噪状態から、世界の破局場面を何度も繰り返し経験してきました。

今現在でさえ、そのことに変わりありません。

その意味で、世界は、常に「陰」と「陽」の交互作用で成立しています。

良いことも悪いことも、それなりに意味があって存在しているとはいえ、

叶うならば、悪い「不協和の世界」に足を深く踏み入れたくはないものですね。

本書でも、様々な人物の人生を介して、具体的に一人一人がつながっていく様子を

私たち読者に喚起してくれています。

過去に遡っても、未来へ向けても、「いま・ここに」生きる私たち一人一人が

「世界を変える接点」となっているイメージが湧き上がってきます。

通俗的な「自己啓発書(ビジネス書)」では、ほとんどが「成功者」

(それも、<経済的>成功者・・・)としての視点から語られた

いわゆる「老婆心」ではなく、「上から目線(虚栄心・自己宣伝)」の書物が多い

昨今ですが、本書は、あくまで「人間としての良心(純粋な真心)」に働きかける

良書であります。

解説者も、真の「成功者(この手垢にまみれた言葉も、個人的にはあまり好きでは

ありませんが・・・)」は、高貴な恵まれた者の役割として、

「ノーブレス・オブリージュ(高貴なる者としての義務)」があると強調されています。

前にも語りましたが、最近の若者は「低欲・内向き!!」だと評価されているようですが、

管理人個人としては、それこそ浅薄な見方だと感じてしまいます。

こうした評価(表現)を聞くにつれて、もの悲しくなってしまうのです。

「なぜ、人生の思慮分別ある大人は(もっとも安易な一般化など出来ませんが・・・)、

そろいも揃って、こうまで画一的な評価(表現)しか下せないのだろうか?」

そのように感じる日々です。

特に、個人的に子どもたちと過ごす時間が増えてきただけに、現状の価値基準を

そのまま未来にも当てはめていいものなのか、「良心の呵責」を責任ある大人として

感じてしまうからです。

もっとも、歴史的観点だとかなんだとか、理屈はいくらでも付けられます。

ですが、そうした歴史的(相互比較的)視点だけで見ると、人間にとって

本当に大切なものが見失われてしまいます。

むしろ、知性的に考察すればするほど、「答え(方向性)は一方通行ではなく、

多様(多層)で並行共存状態で進行してきた!!」ことも確認されるはずです。

あれほど、「物質的世界観から精神的世界観へと脱皮して意識進化していく

生き物が、<高度な知性を持った>人間だ!!」と叫ばれてきただけに、

大人の硬直した「石頭」には辟易させられてしまいます。

本当に世の中には、様々な人間がいます。

そもそも、「普通(健常)」と「異常」の区別などあるのだろうか?

社会的に作られていった要素も多いだけに、相当な疑問も感じられるところです。

そんな単純な「近代的人間像」に対する反省もあってか、

最近は「スペクトラム(まさに、多彩な虹!!)」として見る

あらたな「未来的人間像」も心ある人びとの間では、話題になってきています。

まとめますと、「バタフライ・エフェクト~世界を変える力~」と言っても、

様々な世界との関わり方が存在するということです。

本書は、そうした「凝り固まってしまった」大人の「石頭」を解きほぐしてくれます。

これからの「未来経済」では、多元的創造力(想像力)を持ったあらたな「経済人」が

地球上のあちらこちらで生まれてくるでしょう。

その中にはもちろん、「あなたもいます!!」

現状どのような境遇におられる方でも、「初心(童心)」を虚心坦懐に振り返って

頂ければ、必ずどこかで縁がつながるようになっています。

そうしたことから、本書は「小さな冊子」ではありますが、

「勇気と知恵を授けてくれる賢者の書の1冊」であります。

自信喪失状態にあり、何とか前に進もうと焦っておられる方にこそ、お薦めさせて

頂きたい1冊です。

大切なことは、

「あなたご自身がこの世界をどう感じ、考え、どのように関わろうとされるのか?」と

いうことです。

「社会的価値(評判)ではなく、宇宙的価値(臨場感覚)の方にこそ、

深く味わいながら関わってみましょう!!さすれば、道も拓ける!?」

そのような積極的な参加をもって、本書「バタフライ・エフェクト~世界を変える力~」

実感させられることにもなるでしょう。

また、再出発する勇気へとつながっていくようにも思われます。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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