ダニエル・ピンク氏の『ハイコンセプト~「新しいこと」を考え出す人の時代』富を約束する「6つの感性」の磨き方!?

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『ハイコンセプト~「新しいこと」を考え出す人の時代』

『富を約束する「6つの感性」の磨き方』

アメリカの作家ダニエル・ピンク氏が、

今後さらなる進化が予想される「超資本主義経済社会」に

おける<働き方のヒント>を提示されています。

かつては、米国ビル・クリントン政権下の

労働長官ロバート・ライシュ氏の

補佐官でもあったダニエル・ピンク氏だからこそ、

貴重な情報源である1冊。

今回は、この本をご紹介します。

『ハイコンセプト~「新しいこと」を考え出す人の時代~富を約束する「6つの感性」の磨き方~』(ダニエル・ピンク著、大前研一訳、三笠書房、2006年)

ダニエル・ピンク氏(以下、著者)は、アメリカの作家として

主に「ビジネス書(自己啓発書)」の分野で日本でも知られる

人物です。

著書に『フリーエージェント社会の到来 新装版~

組織に雇われない新しい働き方』(池村千秋訳、ダイヤモンド社、2014年)

を筆頭に邦訳出版されています。

著者は、1990年代の米国ビル・クリントン政権下における

ロバート・ライシュ氏の補佐官としてご活躍された人物でもあります。

そのため、社会の進展具合の微調整を各種労働制度の立案などの作業を

通じて、近未来経済の方向性に関与されてこられただけに、

一般の「ビジネス書(自己啓発書)」では、なかなかイメージが湧いてこない

<近未来経済社会における働き方のヒント>を具体的に提案されています。

そうしたこともあり、説得力ある近未来経済社会における「仕事人像」を

描き出すことに成功しているように思われます。

訳者の大前研一氏もビジネスコンサルタントとして、日本社会に各種提案を

されてこられた人物であります。

元祖「平成維新の会」の名付け親としても著名人であります。

最近は、「低欲望社会」をテーマに現代日本経済の実情を反映させた経済政策を

独自の『大前流心理経済学~貯めるな、使え!~』(講談社、2007年)

などの著書で積極的な提案をされています。

一般的なイメージ像では、「新自由主義経済論者」として知られていますが、

本書のような訳書のように、その「経済論」には賛否両論がありながらも、

時に、大変面白くて意表をつくような著作物も出版されています。

管理人個人としては、訳者の「新自由主義的経済政策論??」には

相当な問題点も含まれていると感じています(つまり、管理人は否定的です。)が、

この「失われた20年」に「内向き」にならざるを得なかった

日本人や日本経済の風通しを良くする問題提起としては、

学生時代から共感してきました。

ことに、その「心理経済学的視点」には敬意を表し、学ばせて頂いています。

その意味では、感謝している先輩の一人ではあります。

上記『低欲望社会~「大志なき時代」の新・国富論~』(小学館、2015年)

おいては、現在、政府が推進しているような形態での「心理的経済政策」の効果に

ついては、疑問を抱いておられるようです。

この政策は、「右肩上がりの欲望過剰型時代の処方箋」だと・・・

訳者も「新自由主義経済論者」として区分されているようですが、

いわゆる「富裕層から貧困層への<富の移動政策=トリクルダウン(したたり落ちる)>」

経済政策には、懐疑的な見方をされておられるようです。

なぜなら、これまでの「心理学」的な研究からは、

富裕層(個人や大企業などの企業集団)の場合には、

ある「一定の年収(売上)額」を超過すると、「内部留保」に回してしまう傾向に

あることも判明してきているからです。

そのため、仮に効果があったとしても、「ちょろちょろ効果」しか

期待出来ないことも分析されています。

「欲望過剰型消費経済」社会を大前提に、内需拡大政策を行うのであれば、

消費増税や法人税減税による賃下げ効果は、かえって「逆効果」になるとの見方も

あります。

そのため、「富裕層」は「貯めるな、使え!」との処方箋を描いておられるようです。

その内容にも、賛否両論はありますが、少なくとも訳者であれ、政府であれ、

「経済的心理効果」を重視していることでは、共通点もあるようです。

ただ、訳者の著書のように、一方的に「投資意欲を高めよ!!」と強調されても、

日に日に「貧困層」が増加していく一方の

日本社会においては、「先行き不透明」なために、若者も貯蓄を

積極的な将来への投資に振り向けることが出来ないことも否めません。

それほど「失われた20年」の心理的効果は、「低欲望社会」とも相まって

根深い難題を日本経済に抱え込んでしまったようです。

さて、前置きが長くなってしまいましたが、

本書はそうした現状の経済政策に対する批評を主目的にする著書ではなく、

あくまで現在の「情報化社会(第3の波<アルビン・トフラー氏>)」をも

超越した来るべき「新しい大きなうねり(第4の波)」に対する<働き方>を

考察するヒントとして多様な視点を提供してくれる好著です。

ということで、「近未来経済」を生き抜く知恵として、皆さんとともに

学んでいこうと思い、この本を取り上げさせて頂きました。

「超格差社会」を乗り越えるための「6つの感性」

さて、最初に結論から語らせて頂きますと、

これもすでに20世紀末から数々の論者によって指摘されてきた

ことですが、「頭の働かせ方」や「教育のあり方」に関しては、

「知性偏重型(左脳重視思考法)」から「感性(霊性)尊重型(右脳重視思考法)」

へと切り換える必要があるということが本書でも強調されています。

もっとも、言うまでもなく、「能力」は「右脳・左脳」双方ともにバランスよく

磨いていく必要がありますが、これまでの経済社会では、「感性(霊性=ひらめき)」が

疎かにされてきており、そうした「右脳型傾向」をもった人間にとっては、

活躍の場が狭すぎたことは否めないようです。

20世紀半ばから20世紀末までの「右肩上がり」が約束された

高度経済成長型安定経済モデルでは、「左脳型人間」の出番が多かったことも

それなりの意味がありました。

ところが、20世紀末から21世紀現在に至るまでの「不安定流動型経済」では、

それまでの「安定型高欲望経済」から「不安定型低欲望経済」へと変身せざるを

得ません。

つまり、同じ能力があったとしても、時代時代に応じた柔軟な姿勢で「処世」していく

工夫を練らなければ、それこそ「死活問題」ということになってしまいます。

こうした「ビジネス書(自己啓発書)」にありがちな傾向として、前回も触れましたように

「すでに功なり名を遂げた成功者」の立場から説かれたものも多いだけに、

大多数の一般人にとっては、あまりにも「浮世離れ」した感覚になります。

そのため、意欲的な人間であっても、「実践(戦)では使えない代物!!」に

なってしまいがちです。

こうした書籍は、個別的な体験談から創作されているために、レベルに合った視点で

読まないと、あまり意味が無く「元が取れません!!」

そのため、常に「問題意識」を抱えていないと正直「使い物にもならない!!」と

いうことになってしまいます。

ただ、今回は「ご安心下さい!!」

本書は、そうした難しい専門用語が出てきたり、著者の個別具体的特殊体験談を

中心に展開される類書ではありません。

あくまで、来るべき(すでに現在到来中ですが・・・)近未来経済社会における

一般的な「頭の働かせ方」や「働き方のヒント」、「能力の磨き方」などに

焦点を絞った「自己啓発書」であります。

本書では、そうした経済社会どのような「感性」を磨いていけばよいのかに

つき、「6つの視点」を提供しています。

それは、

①「デザイン」②「物語」

③「全体の調和」④「共感」

⑤「遊び心」⑥「生きがい」

だと、要約されています。

この『富を約束する「6つの感性」の磨き方』を

「右脳型(21世紀以降型)」だとして、

それに対比させる形で、

これまでの「21世紀以前型旧経済左脳型」のイメージ像を

まとめてみますと、

①「機能」②「議論」

③「個別」④「論理」

⑤「まじめ」⑥「モノ」

ということになります。

このように、あらたな「超資本主義社会」においては、

いち早く柔軟な社会適応を完了させていった人間から

「富が約束される」と強調されています。

そのわかりやすいキーワードが、本書のタイトル「ハイコンセプト」や

「ハイタッチ」という言葉で表現されています。

そのことを本書の「まえがき訳者解説」では、次のように要約されています。

「ハイタッチ」という表現について、訳者は、記事巻末紹介文献にも

掲げさせて頂いた、最近の「マインドセット」でも著名なジョン・ネイスビッツ

『メガトレンド』(竹村健一訳、三笠書房、1982年)を引用されていますが、

『新しい技術が社会に導入されるたびに、その対局にある人的側面が

考慮されなくてはならない。それがハイ・タッチであり、これが軽視されると、

技術に対する拒否反応が起こる』(本書25頁)だとのことです。

つまり、これもある種の「社会適応問題」だということです。

なお、『富を約束する「6つの感性」の磨き方』の詳細な各ポイントは、

本書をお読み頂くとともに、前にも当ブログでご紹介させて頂いた

アラン・グレジャーマン氏の『人はみな「ビジネスの天才」として生まれる』

併せてご一読頂くと、なお一層の<これからの能力の磨き方のヒント>が

有益な形で得られるかと思いますので、是非そちらの記事もご参考にして

頂けると幸いであります。

これまでの「知識産業人」ですら飲み込まれる「第4の波」経済

さて、一番読者の皆さんにとっても、心配だと思われるのが、

やはり近未来経済社会における「産業構造の大変化(激変)」に

うまく適応していけるだろうかとの不安でありましょう。

管理人自身も、正直言って不安でありますが・・・

「とにかく出来るところから、積極的に前に進まざるを得ない!!」

という今日この頃であります。

社会適応と言っても、人間はそう簡単には適応出来るものでもないからです。

逆に、過剰に社会適応し過ぎて、精神的に参ってしまっておられる方も

おられます。

こういう人類史上「未経験の時代」には、とりあえず「試行錯誤」しながらでも

「試験的」に前に進む方が、良いそうです。

とにかく、一つのことに「数十年」という訳にはいかないようです。

余程の安定した「資産基盤」でもない限り、一つの「本業」に無理して

しがみつくのも危険だとされます。

だから、昨今「週末副業」が盛んであり、「副業容認」の事業体も

増加する一方なのでしょう。

「本業」にとっても、その支障が出ない限りは、

従業員にとっても、経営者にとっても能力磨きは双方にメリットがあるため、

積極的とまではいかなくとも、奨励している事業体もあるようです。

その中で、今一番「割に合わない」と感じられている業界が

意外と思われるかもしれませんが、「知識産業従事者」であります。

本書でも、またすでに当ブログでも過去最近の記事にてご紹介してきましたが、

「弁護士」や「医者」、「会計士」や「税理士」といった

いわゆる「高給取り」とされてきた「知識産業人」ですら

「食いっぱぐれ」が生じてきているといいます。

これも管理人個人の体験談としても語らせて頂いたことがありますが、

会計士や税理士、司法書士・行政書士といった業界(さすがに「弁護士」や

「医者」の世界では、まだ若干時間的余裕もあるようですが・・・)では、

かなり良質で安価かつ使い勝手の良い「業務用ソフト」も出てきており、

一定の「学習能力」と「操作能力」などがあれば、簡単に書類作成出来てしまいます。

特に、非定型のものでなければ、ほとんどの日常的書類作成は、

定型的処理がこなせてしまいます。

これもあまり親切に教えてくれるような方は少ないようですが、

これが「現実」でもあります。

ただ、一般の方の場合には、書類作成と言っても、大規模複雑な処理までは

必要でない限り、日頃から市販の処理ソフトの使用で「手書き保存」する代わりに、

「デジタル保存」しておくと後日の集中処理が楽になります。(確定申告など)

最近は、クラウドデータ処理サービスも簡単に導入出来ますので、万が一の

「データ喪失」にも安心です。

もっとも、個人的には、「機械の時代」だからこそ、突然の「電源喪失」などに

備えて、「手書き保存」もお薦めさせて頂きますが・・・

それはともかく、

21世紀現在は、すでに「情報の時代(知識人の時代)」も過ぎ去りつつあり、

著者の言葉で言うところの、「第4の波(コンセプトの時代)」に移行しつつあります。

「コンセプトの時代」とは、「創造する人、他人と共感できる人の時代」ということです。

そうした時代の変化の中で、私たちは今後どのような<働き方>を模索しつつ

生き抜くための<能力磨き>をしていけばよいのでしょうか?

最後に、まとめておきます。

著者による「問いかけ」として、以下の視点が重要だとのことです。

①他の国なら、これをもっと安くやれるだろうか

②コンピュータなら、これをもっとうまく、早くやれるだろうか

③自分が提供しているものは、この豊かな時代の中でも需要があるだろうか

(本書102頁)では、この「3つのチェックポイント」が用意されています。

各自、総括点検をして頂くと、これからも予測される急激な経済展開に

慌てなくて済むかと思われますので、是非お時間のある時にでも、

点検して頂くのも「賢明なご判断」かと思います。

いずれにせよ、これからの時代は「多角的な教養」が生き抜くためにも

必須科目となるようです。

社会人になってからも、常に興味関心の幅を拡大しつつ、各自無理のない

適性のあった範囲で学習し続けなくてはなりません。

(読書の習慣がある賢明な読者の皆さんなら、<釈迦に説法>だとは

思いますが。)

その意味で、教育における「投資効果」もこれまで以上に厳しく不断に

確認作業を怠ることは出来ません。

また、「雇用の先行き」も容易には見通せないだけに、

何度も確認させて頂き恐縮ですが、自由自在な融通の利く姿勢で「処世」していく

感覚を養っていく必要もありそうです。

これは、決して「上から目線のアドバイス」ではなく、

「管理人自身に向けてのメッセージ」でもあります。

ということで、本書には、これからの「ハイコンセプトの時代」を生き抜く知恵が

詳細にわかりやすく解説されていますので、

ご一読されることをお薦めさせて頂きます。

最後に、管理人自身に向けた暗示的メッセージでもありますが、

「根拠無き希望的観測は危険な判断につながりやすいが、何かを希望しながら

信じなくては生きていけないのも人間」

「だからこそ、私もあなたも未来をともに信じながら生き抜きましょう」

ということです。

なお、本文中で触れさせて頂きましたジョン・ネイスビッツの

「マインドセット」について、

『マインドセット~ものを考える力 未来を読むための11の法則~』

(本田直之訳、ダイヤモンド社、2008年)

また、「ワークシフト(転職)」の方向性で悩んでおられる方には、

『ワークシフト~孤独と貧困から自由になる働き方の未来図<2025>~』

(リンダ・グラットン著、池村千秋訳、プレジデント社、2012年)

『40歳からのワーク・シフト~

これから「始めること」「続けること」「やめること」~』

(藤井孝一著、三笠書房知的生きかた文庫、2014年)

※藤井孝一さんは、「週末起業」をテーマに数々の著書を

出版されてこられた方です。

「無理のない週末起業」をお考えの方には、お薦めです。

『未来の働き方を考えよう~人生は二回、生きられる~』

(ちきりん著、文春文庫、2015年)

をご紹介しておきます。

※言うまでもないことですが、「自己啓発書(ビジネス書)」は

「万人向け」に書かれた書籍ではありませんので、各自の「人生観」や

「経済環境」などを真剣に鑑みて頂くしかありません。

その意味では、「右脳型(感性・霊性)」とともに、「左脳型(知性)」も

バランスよく磨く努力が必要であります。

昨今は、「自己アピール型」の「軽薄な粗製濫造本」も増加する一方ですが、

管理人もまだまだ30代若くて「世間知らずの未熟者」ではありますが、

これからも「目利き能力(感性)」に磨きをかけていく所存ですので、

これからもご愛顧のほど宜しくお願い申し上げます。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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