声に出して読む!!橘曙覧の和歌集「独楽吟」!!心の栄養食に いかが!?
徐々に移りゆく「秋の気配」
心の栄養食に、橘曙覧(たちばなあけみ)の
和歌集はいかが?
その名も「独楽吟」
一人たたずむ「秋の夜長」に、
「声に出して歌う日本語」と
いうのも一興です。
今回は、この本をご紹介します。
「独楽吟(どくらくぎん)」 (橘曙覧著、岡本信弘編、グラフ社、2010年)
幕末に「彗星のごとく」現れた「吟遊詩人」
その名は「橘曙覧(たちばなあけみ)」
といっても、大方の日本人はご存知ないかも
しれません。
管理人も、最近知ったのです。
クリントン大統領が、レセプションにて
天皇皇后両陛下をおもてなしされた際に、
歓迎スピーチの一節として紹介された和歌。
~たのしみは 朝おきいでて 昨日まで
無かりし花の 咲ける見る時~
から、日本人にも知られるようになったそうです。
この和歌の収録された「独楽吟」は、橘曙覧の
生前には日の目を見ることはなく、明治になって
「正岡子規」によって見出されたようです。
「知る人ぞ知る」
まさに、「歌詠み」同士の心的交流から
この世に息が吹き込まれました。
「孤独でいたたまれない」
「貧しくて苦しい」
「明日が見えない」
というような時に、この歌を口ずさんでみては
どうでしょうか?
橘曙覧の和歌は、自身「貧賤の身」にありながらも
落ち着いた心で日々を送っていた様子がうかがえます。
「全体的に簡素で明るいメロディー」が、
奏でられています。
あなたの「たのしみは・・・」
橘曙覧は、商家に生まれ育ちましたが
どうも「商売」になじむことができなかったようです。
幼い頃から、学問や和歌が好きだったようで、
その「思いやみがたく」
「好きな道」を歩むことになりました。
といっても、生前は少数の人にしか知られておらず
「生活収入もきわめて厳しい」状態だったようです。
そのため、「少数の門人」に支えられていました。
「吾唯足知(われ、ただ、足ることを知る)」
を生活実践した人生でした。
~たのしみは 物をかかせて 善き価
惜しみげもなく 人のくれし時~
~たのしみは あき米びつに 米いでき
今一月(ひとつき)は よしといふとき~
~たのしみは 銭なくなりて わびをるに
人の来たりて 銭くれし時~
など、生活状況を赤裸々に明るく詠われています。
「たのしみは ひとりいたりし 時(とき)の間(ま)に
ともがきたりて 笑いあうとき」(管理人)
さて、あなたの「たのしみは・・・」
吟じてみませんか?
光と影はともに交錯するもの!!
私は、「侘(わ)びと寂(さ)び」の感覚を
つかめた時に「深い喜び」を味わうことが
できるのだと思います。
「人間本来無一物」
と、言います。
「風のごとく来たりて風のごとく去る」
私の「座右の銘」です。
なかなか「人生は自分の思うようにならない」
ことが多いです。
だからこそ、「精一杯この世の波を漕ぐ」
「執着心」をなくすことも難しいでしょう。
「悟りを開く」必要もないでしょう。
「ただ祈りつつ夢を想う」
ここに「人生の深い意味」があるのだと想います。
でも、面白いもので「無常の風」も吹いてくれます。
そうです。
「この世に変化しないものはない!!」
つまり、「固定したものはない」ということも真実。
ならば、「世に、人に、無理に従う道理もない」ですし、
「己の信じる道を歩むのみ!!」
ただ、常に「全体の調和」は心がけねばなりません。
「自分のこと=他人のこと」
このイメージを豊かにしていくこと。
これが、今世に生きるすべての人間の課題だと思います。
「モノからコトへ」
これからの時代の「キーワード」です。
「モノ」は、「シェア」
「コト」は、「所有」
されど、「コト=こころ」の「シェア」も分かち合う
経済社会にしていきたいものです。
「一人一人が無駄なく活かされる世の中に」
秋の夜長、体調を崩しやすい時節ですが、
皆さんも「温かい心」で日々をお過ごし下さい。
なお、関連本として、
『「清貧」という生き方』(岬龍一郎著、PHP、2011年)
橘曙覧の他、「清貧生活」を送った人物が多く紹介されています。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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