「風の如く心穏やかに生きる!!」良寛さんの風雅の心を知る!!

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~世の中にまじらぬとにはあらねども

ひとり遊びぞ我は勝(まさ)れる~

~いまの世ははかなきものと知るからに

背けば疎(うと)し背かねば憂(う)し~

いつの時代も「人間関係の距離感」を

つかむのは難しいですよね。

「言葉の限界」

それは「世界の限界」でしょうか?

必ずしもそうではないと思います。

自分の「心の風景」をいかにイメージ豊かにして、

生きていくか?

そこに「人生の妙味」がありそうです。

今回は、良寛さんの「和顔愛語」に親しみながら

「生き方の知恵」を学んでいきましょう。

「困ったときの良寛さん」                (松本市壽著、三笠書房 知的生きかた文庫、2009年)

良寛さんといえば、

皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか?

「子どもたちと鞠で遊ぶ姿」

「言葉に厳しさを持った禅僧」

「求められても容易には書を与えてくれない」

など、様々なエピソードが思い浮かぶのでは

ないでしょうか?

良寛さんは、元は裕福な町名主の出身。

思うところあって「出家」

「道を求めて」禅僧として旅立ちます。

といっても、名だたる寺の住職などになって

生計を立てるわけではありません。

「托鉢行脚の道」を選びました。

良寛さんは、「町名主の子」

仏教が特に保護された江戸時代なら、

「良いコネ」もすぐに見つかったでしょう。

それでも、良寛さんは「厳しい道の人」

生き抜きました。

「風雅の心」のままに「世間の人」とも

親しく交わっていたようです。

冒頭の歌は、そんな人付き合いにおける

「距離感」を伝えてくれます。

そこで、今回は「世間とのつきあい方」について

学ぼうとこの本を取り上げました。

「和顔愛語」の大切さを知る!!

昔から、

「親しき仲にも礼儀あり」

「実るほど垂れる稲穂かな」

という「言葉」があります。

人間は油断していると、

いとも簡単に「調子に乗って」

己の「分際」を超えてしまいます。

そのため、後悔することたびたび。

私たちは、「人間関係の距離感」を

つかみ損ねてしまいます。

仏教では、「和顔愛語」が大事にされます。

「言葉の持つ力」は、

「光」ともなれば「闇」ともなる。

「不思議な力」が宿っています。

ことに良寛さんは、

この「言葉の魔力」に厳しくありました。

有名な良寛さんの「戒語」

ここには、今日においても通用する

「コミュニケーションの極意」が語られています。

これを全部守ることができたら「悟りを開ける」

それほど「厳しい戒め」です。

私もついつい「言わずもがなのこと」を

言ってみたり、「偉そうな上から目線」になって

しまったりと大いに反省するべき点が多々あります。

かといって、「何も言わない」ようになれば

それも不自然だと思うのです。

「物言わぬは、腹ふくるるわざなり」(兼好法師)

であることも「一面の真実」です。

むやみに「引用するでない・・・」と、

これも良寛さんに説教されそうですが・・・

このように「コミュニケーション」とは、

難しいですよね。

だからといって「世を捨てて拗ねて生きる」のも

「つらい」ものです。

ですから、なるたけ「和顔愛語」に努めて

「楽しく世を歩きたい」ものです。

風雅を愛(め)でる喜び

私たちは、年々歳々「時間に追われる」

感覚が強まっているようです。

そんな時こそ、

「ゆとりを持ちたいもの」です。

本来は、人生=時間というものは

「自分で管理するもの」だったはず。

仕事にしろ何にせよ、

「自分の出来る範囲」で「他人」に

貢献して生きるのが原則のはずです。

私たちは、日々「便利さ・効率性」を

求めて「生産性重視の生き方」をしてきました。

しかし、現代社会では「分度を超えて」

互いに「過度の期待を押しつけて」生きてきた

ように思うのです。

そのため誰も彼も苦しんでいます。

「人は何のために生きているのか?」

それをじっくり味わうには、気持ちに余裕が

ないといけません。

日本人は、古来より「風雅の心」

「生きる喜び・拠り所」にしてきたのだと

思います。

「花の心を知る」

良寛さんの「和歌」には、数々の「花との対話」

が読みとれます。

~飯乞ふとわが来(こ)しかども春の野に

すみれ摘みつつ時を経にけり~

「托鉢」をするはずのところ、ついつい野に咲く

すみれに見とれてしまい時間が経ってしまったわい・・・

仕事など「生計」を立てるために一日中走り回っている

毎日ですが、ちょっとした「すき間」があればこんな

「一息入れる時間」も持ちたいですね。

私も皆さんの心に響く「言乃葉」をお届けできるように

日々研鑽を積んでいきたいと願っています。

最後に、管理人の歌で締めくくらせて頂きます。

~秋桜(こすもす)の 満ちてあふれる はらっぱに

鳥の鳴き声 笑みがこぼるる~

~曽爾(そに)の里 咲きしススキは 黄金色(こがねいろ)

月の面影(おもかげ) 火照(ほて)り輝く~

なお、良寛さんの関連本として

「良寛さんの戒語」(新井満自由訳 考古堂書店、2015年)

「良寛 上・下」(立松和平著、学研M文庫、2013年)

を、ご紹介しておきます。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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