群れから飛び出せ!!「非属の才能」を開花させるために・・・ 山田玲司さんに続け!!
日本人は戦後、世界でも稀にみる
長期安定社会の中で生きることが
許されてきました。
一方、「第三の開国」ともいわれる
「失われた20年」
この間、「異文化の流入」もあって
日本人の「アイデンティティー」が
揺らいでいます。
そんな「不安な心理構造」の中で、
あらたな「人生の方向性」を模索しておられる方も
多いことでしょう。
そこで、今回はこの本をお届けします。
「非属の才能」(山田玲司著、光文社新書、2007年)
著者は、漫画「ゼブラーマン」や「絶望に効く薬」などでおなじみの漫画家です。
小学生の頃から、手塚治虫さんに「私淑(直接対面指導の機会はないが、
個人的な師匠として尊敬師事すること)」しながら漫画道を
歩んで来られました。
私たち日本人は、歴史的に比較的安定した時空間で生きることが
許されてきた稀有な存在です。
現在、日本人は「日本史上最大の危機」に遭遇しています。
そのため、私たちは「安定志向」を当然のこととして
生きてきたために「思考停止・パニック状態」に陥っています。
このような時代に、どのような心構えで生き抜いていけばよいか?
「和をもって属さず」
「非属・異端の生き方」など・・・
様々なキーワードを通じて学ぼうということで、
この本を取り上げます。
「群れから抜け出そう!!」
いきなりこんなことを言われても、
大半の方は「びっくり」されるのではないでしょうか?
そうですよね。
「生きていくこと=稼ぐこと」
「少しでも他人より優位に立つこと」
「その差異によって資本主義社会は成立している」
この前提が「自明視」されている限り、
現代社会は「鋼鉄のように冷たく動かすことのできない」
世の中と思いこんでしまいますから・・・
私たちは、幼い頃から「人と違ったこと」をすると
すぐに周りの大人から「社会の枠の中」へと押し戻されて
しまいます。
大概の家庭や学校では、「子どものためと思って」善意で
なされてきました。
そのため、子どもの素朴な社会への疑問点などが
放置されたまま「時間だけが無意味に過ぎていく」
環境を強制されてしまいます。
やがて、社会に出る頃には「完全に落ちこぼれ」に
なっていることに嫌でも気付かされます。
「家庭や学校内での落ちこぼれ」は「保護期間」
なので、こうした問題意識が深刻に受け止められることも
ありません。
しかし、「社会での落ちこぼれ」となると
まるで「自分の人生(全人格)が否定」されたかのように
一生を肩を竦めて過ごさなければならなくなります。
これは、本当に残酷なことです。
かといって、社会が「温かい手を差し伸べてくれる」
わけでもありません。
ですから、なるべく早い時期に「人生の一番大切な問題」
に気付くことができるように「自分で模索」していかなくてはなりません。
でも、身近に「お手本となる大人」がいなければどうしたらいいの?
とお悩みの方に朗報です。
著者である「山田玲司さん」に私淑しながら、自分なりの道を創造して
いけばよいのです。
「道は決して一つではない!!」
管理人は、「優等生」と「落ちこぼれ」両方を
経験してきました。
ですので、その「苦しい心理状態」は一応理解できる
つもりです。
もちろん「聖人君子」ではないので、「神様のような目」
は持っていませんが・・・
特に「思春期」になると、周りの人間と異質で不安定な
自分であることに気付かされ、悩まされます。
相当な「疎外感」に襲われていきます。
そんな時に周りに相談相手がいればいいのですが・・・
「親」も「友達」も「周りの大人たち」も
あまりにも忙しすぎて容易には相談を持ちかけることも
できません。
「中二病!!(自分が周りの人間よりも優位にあるかのような背伸びした感覚)」
といって、下手に相談すれば「痛い目」に遭います。
この時分では、「周りの人間」も「確実な答え」などを、
実は持っていないことに気付くことが、
まだ難しいのかもしれません。
この14歳あたりは、「非常に悩ましい年頃」でもあります。
「周りの目を異常に気にしすぎてしまう」のも「思春期の特徴」ですね。
管理人の「友達」にも「不登校のまま引きこもってしまった」子がいます。
その子は「バイク」に非常な興味関心がありました。
かといって「暴走族」などに入る子でもありません。
今となっては、その子の「本当の心」を知ることなど出来ませんが、
「もっと早く気付いてあげればよかったのに・・・」と悔やまれます。
ただ、そういうのも「傲慢」かもしれませんね。
管理人も当時は「自分のことだけで必死」でした。
そんな時、管理人と彼の間にどのような違いがあったのか?
幸いなことに、学校外に「相談相手がいた」ことと、
「引きこもり」の代わりに「優等生」だったので、
「図書館に引きこもった!!」
「一人遊びを楽しんだ!!」
「学校以外の<場>を持っていた!!」
ことなどが、一番大きかったのかもしれません。
著者の山田玲司さんも語っているように「私淑できる人物」が
いれば「救われる可能性」が大いに高まるように思います。
「直接会わなくてもいい」から、読書などを通じて
「その人の生き様」に素直に学んでみる。
そんな「機会」を自ら積極的に作る必要があります。
「自分の人生を安易に外注しないこと!!」
これが、「非属の才能」ではないでしょうか?
親御さんも「教育」を外注しないこと。
エジソンや野口英世の母親のように「自分を信じて」
「自前の教育」を提供する努力をすること。
社会における「仕事」についても、安易に外注しないこと。
皆さんも是非、自分の人生に誇りを持って
人生という「貴重な時間」を守り育てて頂きたいと思います。
「非属の才能」を身につけることは、意外に難しいことでも
ないようです。
著者も語るように、「自己満足感=エフィカシー能力」を
高めていくこと。
それには、案外「中二病」も役に立つのかもしれませんね。
「大人」になってから「中二病?」
「それは痛いよね!!」
「興味がない!!」
「つまんない!!」
なんて思っている「あなた」・・・
ひょっとしたら「危険信号」かもしれませんよ。
まぁ、何はともあれ「自分の出来ること」を
少しずつ積み重ねていけばいいのです。
そのための「ヒント」が、本書には満載です。
なお、著者の「資本主義社会」に対する考察本として
「資本主義卒業試験」(星海社新書、2011年)
もご紹介しておきます。
さらに、最新情報ですが
この「非属の才能」は、改題・加筆のうえ
「ハミ出す自分を信じよう」(星海社文庫、2013年)
として出版されているようです。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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