心の正体は、光にあった!?保江邦夫先生が案内する「脳と心の量子論=愛の宇宙方程式??」
「心とは何か?」
人類の最後の難問だとされています。
一体、記憶やひらめきはどこから来るのか?
今日、様々な学者が議論していますが
「未知」の領域にあり、袋小路に入っているようです。
「愛の宇宙方程式」で有名な理論物理学者の
保江邦夫先生が「場の量子論」によって、「心の正体」を
解き明かしてくれています。
「心とは、光の束!?」
「光の束の強弱が、愛の深浅を決めるのか?」
今回は、この本をご紹介します。
「脳と心の量子論~場の量子論が解きあかす心の姿~」 (治部眞里、保江邦夫共著、講談社ブルーバックス、1998年)
保江邦夫さん(以下、著者)は、大変ユニークな理論物理学者です。
幼少時から、UFOに憧れ大学では天文学を専攻。
大学院では、理論物理学を学ばれました。
また、合気道にも通じているため「気の科学」を実践により
身体で受け止め理解できる稀有な方です。
ガンという大病をご経験されている時に、通常の科学では
理解出来ない「スピリチュアルな世界」にも開眼されました。
しかし、理論物理学者の魂がそうさせるのか?
この「目に見えない世界」を理論物理の力で解明してみたいと
ミクロ分野の物理「量子力学」を使って私たちに分かりやすく
説明するべく、近年は目覚ましい「啓蒙活動」もされているようです。
「愛の宇宙方程式」を万人のものにするために・・・
昨今の脳科学などの発達は目を見張るものがありますが、
どうも「唯物(脳)的」か「唯心的」に偏った説明が多くもう一つ
心に響く感じがしないようです。
著者は、精神と物質の双方へ「場の量子理論」でもって
架け橋をつなげようと困難な道のりを歩んでこられました。
そんな著者が語る「心とは何か?」
著者ならではの「イメージ喚起法」(SF風に?)を使って
この本で「心の神秘」を解き明かしていきます。
量子力学の専門用語も門外漢にとっては「とっつきにくい世界」
ですが、著者は様々な工夫をこらして面倒な世界を説明して下さっています。
著者は、「心とは何か?」を解明する前提としてここを説明する所から
始めています。
「脳と心」の関係は、「物質と精神」の関係に相似します。
ここにおいて、マクロの世界にある脳という物質を
どれほど「ミクロレベル」の素粒子論で分析してみても
直接「脳(物質)から心が飛び出てくる」ことはありません。
そこで、ミクロな物質分析を越えた「拡張された場の量子理論」が登場して
くるわけです。
「場=粒子(物質)+波(エネルギーと方向性)」と定義してみると、
うまく脳内現象(心の発生状況や意識の流れ)が説明できそうです。
そうすれば、従来の「量子力学」だけでは限界のあった領域を
整合的に解明出来るだろうと「仮説」を立てたのが、この本での
問題提起となっています。
量子場脳理論とは??
結論からいえば、著者は「心とは何か?」について
このように説明されています。
「心とは、記憶を蓄えた脳組織から絶え間なく生み出される
光量子(フォトン)の凝集体であり、場の量子論によって記述される
その物理的運動が意識である。」と・・・
先程の「場=粒子(物質)+波(エネルギーと方向性)」を
思い出して頂くと、この本をスムーズに読み続けていけると思います。
著者も、一般人向けに難しい数式や専門用語をなるべく使わずに
「全身で文章とイメージ喚起法」を使って説明されていますが、
文章はどうしても「形容過多」になってしまうようで苦労されている
ことも同情します。
「目に見えないミクロ世界」を言葉で表現するのは、「言葉の限界」に
挑戦することでもあり、誰にとっても困難な作業ですので・・・
いずれにしても、キーワードは「光」です。
量子力学により、「光=粒子+波動」だと解明されてきました。
その「粒子のみ」に限定してアインシュタインが名付けたのが、
「光量子」です。
もう一つの側面が「波(動)」です。
実際にも、実験により「電子」と「光」の動きが似たようなものだと
いうことも判明してきました。
「ある一定の場に、秩序正しく粒子が並ぶとともに刻々と変化する」
様子も観察されています。
そうして得られた知見を「脳の領域」にあてはめて
「心の動き」を説明していこうとするのが「量子場脳理論」です。
愛の宇宙方程式??
「いのちの流れとは?」
「いのちとこころの関係は?」
これを解明するために、「量子場脳理論」が考案されました。
主流の脳科学では、脳内の神経細胞(ニューロン)が複雑に交錯する
「神経回路」を電気(化学)的信号によって記憶や意識などが発生する
とされているようですが、「量子場脳理論」はこの単純な説明モデルに
挑戦しました。
つまり、「ニューロンの神経細胞の作用は本質的ではなく、むしろ
記憶や意識などの脳の高度な記憶の本質は量子の世界にある」
ということです。
要するに、従来のニューロン偏重理論は「マクロレベル=ニュートン的
古典物理学体系」だけで押し切ろうとするために無理がある。
ミクロレベルにおける「量子論」も重ね合わせて説明しないことには、
総合的に意識や心の本当の姿を捉えきれないということです。
「いのち」の根源は「水」であります。
脳内にある「水=いのち」を介して「こころ」は流れていきます。
この流れこそ「意識の実体(本質)」なのだと説明されています。
おおざっぱにまとめると、こんな感じです。
脳内物質と心の関係についての細部に渡る説明は、
この本に譲らせて頂きます。
著者は、心の本性を説明するにあたり「イメージ喚起」の呼び水に
次の詩を紹介しています。
~私たちは記憶の中に生き、記憶によって生きる。私たちの<こころ>
は実のところ、私たちの記憶がみずから存続し、希望すなわち未来に
生まれ変わろうとする努力にほかならない。~
(スペインの大哲学者・大詩人であるミゲル・デ・ウナムーノより)
こうして続けてきた果てしなき旅も終盤に近づいてきました。
記憶を意識する主体が「こころ」ということは決まっています。
では、その「こころ」の物理的実体とは一体どういうものなのか?
それこそが、物質である脳から離れた一塊のエネルギー集合体である
「光の束」であります。
だからこそ、人間は自由に意識して思考できるのです。
それは、同時に大いなる責任を伴うことでもあります。
「どのようなことを志向するのか?」
この志向性の高低により「光=愛」の強弱が定まってくるようです。
それを難しく数式化すると、「愛の宇宙方程式」となるそうですね。
「人生とは、光=愛の方向性とエネルギーの強弱によって変化する!!」
ここにこそ、今回縷々ご紹介してきたこの本の価値があります。
私たちも、「愛の宇宙方程式」を手に入れることが出来ました。
あとは、それをどのように扱って生きていくのか?
そこに、私たちの「人生の醍醐味」があるようです。
なお、著者の別著として、
「愛の宇宙方程式~合気を追い求めてきた物理学者のたどりついた世界~」
(風雲舎、2012年)
「神様につながった電話~我を消すと、神が降りてくる~」
(風雲舎、2014年)
「ありのままで生きる~天と人をつなぐ法則~」
(保江邦夫、矢作直樹共著、マキノ出版、2014年)
を、ご紹介しておきます。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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