大人も児童文学を読もう!!「自分の影」に立ち向かう勇気 河合隼雄先生に学ぼう!!
大人こそ「児童文学」を読もう!!
いまや「児童文学」を「こども」向け
と考える時代は、古くなりました。
「アイデンティティー(自分とは何か?)の危機」
にさらされる現代。
「自分の人生を取り戻すには?」
その「ヒント」を「児童文学」から学ぼうと
いうことで、この本をお届けします。
「『子どもの目』からの発想」 (河合隼雄著、講談社+α文庫、2000年)
※ 『<うさぎ穴>からの発信』(マガジンハウス、1990年)を改題、再編集
したものです。
「自我の危機」
「エゴの暴走」
現代社会には、これらを「誘発させるしかけ」が
あらゆる場所に「張り巡らされて」います。
「時間どろぼう」も、たくさんいます。
そんな現代社会において、「おとな」も「こども」も
どのように立ち向かっていったらよいのか?
「自由を取り戻す」
「自分の貴重な時間である人生を守りたい」
そんな方こそ、必読して頂きたい本があります。
元文化庁長官の亡き「河合隼雄先生」の珠玉の1冊です。
真実を見る力
私たちは、「思春期」を過ぎると「おとな」に
なっていくものと考えられています。
「おとなになるってどういうこと?」という
問いに真正面に立ち向かう時間もなく・・・
この時期は、「不安定」です。
「言葉には表現できない悩み」が、
たくさん出てきます。
でも、「こども」は、「おとな」に
「自分の思いをうまく伝えられず」
「一人で孤独に悶々と悩んでしまう」のです。
「相談相手」を持つことができなかったために
不幸に見舞われる「こども」も出てきます。
「こども」は、「自分の人生」について
周りの「おとな」を参考として考え始めます。
が、「こども」はすでに勘づいているのです。
「自分は少なくとも今のおとなのようにはなりたくない!!」
しかし、現代社会における「教育体系」では、
じっくりと「自分の人生」について考える時間もなく、
社会に否応なしに出て行かなければなりません。
昔と違って、一部の地域を除き
「こども」から「おとな」に変わるための「儀式」も
ありません。
そのため、「多くの迷子」が発生してしまいます。
では、「こども」に対峙する「おとな」はどうか?
といえば、「おとな」も「社会時間に管理」され
「灰色の男たち」に追いかけ回されています。
(ミヒャエル・エンデ『モモ』より)
「自分を確立すること=時間をどう解釈して生きていくのか?」
ここに「秘密」があります。
この「秘密」を知り、「自分の人生に自覚的であろう」
とする「真実の力」に気づいた者から、「自立」は始まります。
「自分の影」に寄り添う勇気こそ「生きる力」
とはいえ、現代社会で生きていくとはどういうことか?
「経済的に自立する=稼ぐ力を身につける」
ということになってしまいます。
現代資本主義社会は、「時は金なり」
により成り立っています。
そのため、「稼ぐ力」をきちんと身につけることが
できなかった者から「ドロップアウト」していきます。
「稼ぐ力=生きる力」とは必ずしも一致しないにも
かかわらず・・・
そのため、社会にマイナスエネルギーが蓄積されていってしまいます。
また、「こども」から「おとな」になっていく際に
「孤独に己と向き合うこと」もなく社会に出て行く者には、
絶えず「自分の影」がつきまといます。
「影」の原因は、このように様々ですが、
「自分の影」に勇気をもって「立ち向かう」ことは、
「おとな」にとっても至難の業です。
ここに、「児童文学やファンタジーの役割」があるのです。
著者は、「おとな」こそ「児童文学」に学ぶべきだと語ります。
特に「ファンタジー」は、単なる「おとぎばなし」ではないと。
良質の「ファンタジー」は、「人間の心象風景」を的確に示唆して
くれるといいます。
「影の存在=無意識の領域」に、きちんと向き合うための
「ヒント」も豊富に描かれています。
ファンタジーの主人公の心理を追うことによって、
「自分の影」と向き合うヒントも得られるかも
しれません。
「人間の心理は矛盾に満ち複雑」
忙しい日々、なかなか「自分の影と向き合う」
時間がありません。
そのため、多くの方が
「人生の貴重な時間をやり過ごしてしまいます」
その「誘惑・惰性」に負けないようにするには?
「決然と孤独な時間を守る工夫を確立」
するしか他に方法はないと思います。
「孤独な時間を生ききること」
それが、「あなたの人生」になるのです。
どうか、読者の皆さんには
「影と向き合うなんて、むなしいだけさ!!」
「人生とは暇つぶし!!」
などという「マイナスエネルギー」に負けずに
幸せになって頂きたいと思います。
当ブログも、
「いかにして虚無感=ニヒリズムに打ち勝つか?」
を「メインテーマ」にしております。
皆さんも、「児童文学」に親しんでみませんか?
新たな「発見」があるでしょう。
なお、「河合隼雄先生」には、同文庫のシリーズに
『昔話の深層』
『子どもの本を読む』
『ファンタジーを読む』
『青春の夢と遊び』
など、「児童文学・心理」にまつわる数々の本もございます。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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