西きょうじ先生の『仕事のエッセンス~「はたらく」ことで自由になる』みんなで、もう一度「はたらく」原点に帰ろう!!

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『仕事のエッセンス~「はたらく」ことで自由になる~』

大手予備校で教鞭を執る人気カリスマ英語講師の

西きょうじ先生が、「はたらく」意義を様々な角度から

捉え直す視点を提供されています。

今後の未来経済では、事前に予期しながら「キャリア形成計画」を

立案しながら、将来の「人生設計」を練るという「賢い考え」も

潜在的リスクを大きく抱えてしまう不安が付きまといます。

今回は、この本をご紹介します。

『仕事のエッセンス~「はたらく」ことで自由になる~』  (西きょうじ著、毎日新聞出版、2015年)

西きょうじ先生(以下、著者)は、現在、東進ハイスクール予備校の

人気英語講師として活躍されています。

長年、『ポレポレ英文読解プロセス50』という「受験英語参考書」が

大学受験生の間で、絶大な支持を受け、売れ続けてきたそうです。

また、予備校講師としての「本業」を離れた多角的な「仕事」も

されているといいます。

管理人は、今回、始めて本書のご紹介を通じて、著者の人物像の一端に

触れることになりましたが、著者のお名前自体は、存じ上げていました。

それは、忘れもしない、管理人が初々しかった??

18歳「青春」の頃の話です。

今は、少子化や新傾向型入試の増加などの影響で、予備校業界も

大変厳しく苦境に立たされているといいますが、

当時の大学受験生の間で人気があった3大予備校がありました。

その一角に、代々木ゼミナールがあります。

今でこそ、受験界の様変わりや競争激化のあおりを受け、

「整理統合縮小中」にある同予備校ですが、

素晴らしい予備校であった(ある)ことは否めません。

管理人は、すでに30代半ばの中年に入ろうとする社会人であり、

同予備校との接点もありませんが、青春期を支えてくれた

当時の先生方には感謝しても、し足りないほどの思いで一杯です。

今なお、管理人の人生を精神的に支えてくれている先生方との思い出の

日々は、「一生の知的財産」であります。

そんな思いも込めて、同予備校が再び「飛翔」する時代が訪れることを

願って止みません。

特に、前にも当ブログでご紹介させて頂いた著者と同じく「英語」講師で

いらっしゃった(今も<現役>だそうですが・・・)西谷昇二先生には、

心底厚く御礼申し上げる次第です。

そのような管理人が18歳の「青春」だった当時、

上記予備校の英語講師を務められていた名物講師陣の中に、

著者がおられました。

当時は、このように「西谷ファン」だったので、「西」先生の

講義を一度も受けたことはなかったのですが、友人知人によると、

「西」先生も優れた「名物」講師だったようです。

さて、今回ご紹介させて頂く本書は、そんな「英語」の世界とは

まったく無縁の「仕事」がテーマになっています。

著者は、このように普段から若者と接する機会も多いことから、

当世若者事情もよく見聞きされておられることもあり、

現在も卒業生などから仕事の悩みなど「人生相談」を受ける機会も

多いといいます。

そんな著者が、若者との対談から見えてきた「現代<労働経済>社会」の

姿とは??

過酷なほどまでの当世労働環境事情とともに、情報テクノロジーの進展などから

あらたに勃興しつつある未来経済像でありました。

ということで、皆さんにも、このような「労働経済環境」の激変にある中、

マイナス面だけではなく、プラス面にも目を向けた「着眼点」を持つことで、

あらためて「はたらく(<はた=隣人>を<らく=楽にする>)原点」に

帰ることで、「生きやすい」社会環境を再創造していくためのヒントとして

ともに考察して頂こうとの趣旨で、この本を取り上げさせて頂きました。

その合い言葉は、

「You  are  not  alone!(あなたは、一人じゃない!)」(西きょうじ先生)であります。

それでは、再びの「飛翔」へ向けた旅をともに歩んで参りましょう!!

「自己実現」もほどほどにしないと、かえって「不幸」になるよ・・・(「はたらく」を考えるための序論)

まず、本文に入る前に、本書の内容構成の「あらすじ」と

著者の問題意識を共有しておきましょう。

①『第1章 「働く」とはどういうことなのか』

マルクスアレントの「仕事概念(レイバー=労働とワーク=仕事の違い)」に

ついての分析考察に触発されながら、

『隷属的賃金労働から積極的賃金労働、さらには<はたらく>を「仕事」へ』と

「仕事」の原点へと立ち返るための方向性を、現代「労働観」や「労働環境分析」から

問題提起されています。

とりわけ、江戸時代の「労働観」だとされている「カセギ」と「ツトメ」という

視点からの発想は、「原点」志向として考えておきたいテーマであります。

②『第2章 見たくない現実を見る』

※今や「月並みな」慣用表現??にもなってしまった「ブラック企業」の

実態などの「労働環境の現状」や、人工知能の進展などで心配されている

「テクノ失業」といった、

皮肉にも「イノベーションが、<人間>の<職>を減らす!?」をテーマに

「見たくない現実を見る」重要性が強調されています。

「<より良く働きやすく生きやすい>生活環境を創造していくためにも・・・」

③『第3章 就職・転職にどう向き合うか』

本章は、特に、これから「社会」に飛び出そうとされる

学生さんや若者の皆さんには、必読のテーマであります。

一般的な「就職情報」による「印象操作」などに振り回されず、

また、「自己分析」という名の不透明な形を変えた

「自分探しの罠」に深く嵌り込んで、「後悔」しないための

「まっとうな<職業観>」について考えるコーナーであります。

④『第4章 多様なワークデザインに向けて』

※文字通り「職業はたくさんある!!」を大前提に、「就転職」に

仮に「失敗・挫折」したとしても、視点を変えることで、

「生き抜く」方法自体も、今後ますます「多様化」していく

「可能性」について、考察されています。

本章最後のテーマ『うまくいかない典型的パターン』も必読です。

ここでは、「ひきこもり大学」などの取り組みも紹介されていますが、

「失敗・挫折経験」といった社会的に判断すると「マイナスポイント」になる

「個別体験」も「普遍化」し、社会の「共有財産」に変えていくことで、

「恥ずかしさ(無力感)」を「誇らしさ(自信回復)」へとつなげていく

「移動させる視点」を持つことの重要性が明確に示されています。

「あなたの<固有体験>も活かせますし、是非とも、活かしましょう!!」

「倍返しだ!!(良い意味で)」は、大袈裟な表現になりますが、

「視点の移動」が、一歩を踏み出す勇気を与えてくれることだけは、

間違いないことでしょう。

「失われた20年」を死にもの狂いで駆け抜けてこられた「同志の皆さん」、

是非ともに、この「体験」を活かしていきましょう。

⑤『第5章 再び「仕事」のエッセンス』

結局、「仕事は何のため??」を深く追究していくと、

「はたらく=傍を楽にする」という「仕事」の「原点」に戻るということです。

つまりは、「仕事」は、「自己実現」や「利己的利潤追求」ではなく、

「自他ともに幸せ(楽になる)」ための「縁つなぎ」に

「仕事のエッセンス(本質)」があるのだと強調されています。

『行き詰まったら常に原点に立ち戻って考えてみる、考えてみたらすぐに

変えられることを少しだけ変えてみる、人はそうして少しずつそれぞれにとって

望ましい方向へ向かっていくものです。』(本書<あとがき>254頁から引用)

という「視点の移動」が、

著者からの「<すべての働く皆さん>への応援とアドバイス」であります。

さて、このように本書の内容の<あらすじ>を要約させて頂きましたが、

やはり、ネックになるのが、「<自己実現>といった<魔語>」であったり、

引き合いに出される「職業」が、「富裕層向け(上級者レベル)」が多いことですね。

もっとも、著者の本旨は、「富裕層(つまり、<社会的>に功なり名を遂げた階層)」なら

「難なく通り抜けることが叶う」社会の「主流秩序」を後から皆で追い上げるだけの

単線的な「貧しい」生き方のみを提示されている訳ではありません。

そのような「富裕層(現代<貨幣>資本主義の精神に過剰適応出来た階層)」の

「職業(労働)観」など、もちろん万人向けではないからです。

本書を読み進められると、当ブログをこれまで熱心に応援して下さっている皆さんなら

すぐお気づきになるかと思われますが、「仕事論」にご興味関心ある方なら、

このテーマには、「どこか既視感があるぞ・・・」と感じられることでしょう。

本書で紹介されている内容は、すでに当ブログでご紹介させて頂いた他書でも

紹介されていたテーマが大半を占めているようです。

それら一連の書籍に共通するものも、

「すぐに<再現・実践行動化>出来るような代物ではない!!」という

これまた、「万人向けではないんだよなぁ~」であります。

当ブログの趣旨は、もちろん、多種多様な角度から分析考察していくことで、

いますぐに役立つ「即戦力(有能なひと)」になるための処方箋には、

到底成り得ないことなど、重々承知しているつもりですが、

管理人自身が、必死に「再チャレンジ」に取り組んでいる最中の

「仕事」として、愛着をもって、当ブログ記事創作に従事させて頂いている以上は、

やはり社会的にも有益な「仕事(はたらく)」となる記事を中心に考えながら、

毎回、書籍選びに集中して、社会を「より良くする」をテーマにご紹介させて

頂いているところであります。

ですので、いつも書籍のご紹介には気を配らせて頂いています。

だからこそ、時間もかかるのですが・・・

他の「生計」を立てる時間との兼ね合いもありますので、

どうしても「不定期休業」が「間」に入ってしまうのです。

その点は、「個人業(ひとり仕事)」ゆえ、ご寛恕願います。

これが、大手の「アウトソーシング型分業組織企業」に属する

「フリーライター」なら別でしょうが(本書でも、今大流行!?とされる

<あたらしい働き方>の一つとして紹介されていますが・・・)、

個人的には、あまり出来れば「したくない<労働>」であります。

また、このように「大手」や「発注者」だけにメリットがある<労働>が、

大多数の良心的な人々の「仕事」を奪っていくのではないかと懸念することや、

倫理的な観点から、すでに用意された場所における

「書評(レビュー)投稿欄」からも離れた、

独自の「孤高書評サイト」を立ち上げさせて頂いた理由であります。

管理人も、「仕事人」として、「企業(起業家)憲章」を持っているのです。

ですから、いわゆる「ブログランキング評価」などからも距離を置いていますし、

「お客様は<神様=先方様>だ」(三波春夫氏)と考えるからには、

「仕事をさせて頂く当方」をも大切にして下さる方でないと安心出来ないのです。

ここで、読者の皆さんの中には、「それは、あなたの一方的な要望にしか

過ぎないでしょ、それは世間一般には通用しないでしょうよ・・・」との

違和感ある声も聞こえてきますが、あえて、すべての「はたらく人」の

本心を忖度して「代弁」させて頂きます。

実は、この点こそ、「心ある」皆さんなら、

本音では「共感・共有」して頂ける

「現代<労働>観」の「限界」なのではないかと思われます。

なぜなら、本来の「はたらく」の趣旨を優に超え出た「一方的な押しつけ感」が、

現代「労働」事情では、絶えず、その「圧力(ストレス)」となって

襲いかかってくるからです。

ために、肉体的・精神的病気を誘発させられる方々が、

後を絶たない「現実」もあるからです。

このことが、「選択の自由(新規参入の機会付与)」と理想論が語られながらも、

あらたな「キャリア形成」や「再教育・再雇用・再挑戦」の機会を剥奪してきた

「見えない壁」でもあるからです。

管理人は、微力ながら、そんな憂慮すべき社会風潮に「蟻の一穴」を空けたい・・・

そんな願いで一杯です。

ですから、きちんと「仕事」として評価して頂ける個人様や法人様なら

「ご依頼書評」も喜んで引き受けさせて頂きますが、

現在の某大手サイトの「レビュー」が

何かと話題になっていることもあって、このような「大手書評サイト」の

あり方には、今ひとつ「信用」出来ないでいます。

おそらく、コアの「読書人」なら共感もして頂けることでしょう。

また、「ビッグデータ<人間管理>時代」に抗いたい「人間」としての

「美学」もあるからです。

そのあたりの詳細は、管理人なりの「はたらく」を考えるテーマとして、

後ほど、「項目」を変えて、考察させて頂くことにします。

ところで、管理人と同じように「書評(書籍と人間紹介)業」を

「仕事」にされている方なら、共感して頂けるものと信じていますが、

「仕事」となると、「個人的趣味」だけでは成り立たないことを日々「痛感」させられます。

とはいえ、「倫理的規範」として、紹介者である管理人の「心の琴線」に触れないものを

「偽善的」にご紹介させて頂くことも出来ません。

「個人事業主」なら誰でも一度は通過しなければならない課題ですが、

「断る力」も大事ですね。

このことは、管理人も「士業サラリーマン勤務」時代に学ばせて頂いたことです。

「客にも色々いますから・・・」

「安請合いは、怪我のもと!!」とは、口酸っぱく教えられました。

このように昔の経験を思い出すと、

「昔の職人さんって、ホント偉かった!!」(関西の某人気番組のもじりですが・・・)

「仕事」に力が入らないと、熱意をもって、ご紹介させて頂くことも出来ませんし、

一生懸命「労力」をかけて書籍制作という「ものづくり」をされた

各著者の貴重な人生の「時々」や「熱き想い」を侵害してしまうことにも

なりかねないからです。

本記事末尾のご参考文献の中に、「雀鬼流」で有名な桜井章一さんの

『決断なんて「1秒」あればいい』という書籍がありますが、

この本に掲載された『千代鶴是秀(職人)物語』(145~148頁)は、

管理人の「常なる励み」とさせて頂いています。

「こんな職人さんこそ、憧れの存在だ・・・」と。

言うまでもなく、このような生き方は、現代社会では非常に「奇異な目」で

見られ、「奇特な人間」ではありますが、そのように困難な生き方だからこそ、

見習いたい人物になる訳です。

本項目も長くなりましたので整理整頓しておきます。

まとめますと、「仕事」は、「自己実現」や「利己的利潤追求」だけでは、

満足仕切ることなど出来ないということです。

「お客様と自分自身の双方の<はた>を<らく>にする」という

「隣人愛意識」なくしては、「仕事」を愛着もって貫徹出来ようはずもありません。

そういう意識から、現代「労働」観を捉え直すとするならば、

現代の社会風潮が続くならば、大多数の「職業人」の「心」を

一方的に剥奪していくだけなのではないかと思われます。

このように、「はたらく」は、まず「身近なところから第一歩を踏み出していく!!」が

「原点」だったはず・・・

そのような意味で、本書で紹介されているような「職業像」も、

一歩「読み」間違うと「意識高い系」の「罠」に嵌ってしまいそうです。

紹介されている「職業」の「レベルが高すぎるのでは!?」・・・

「自信」に満ち溢れた精神的・物質的状況ならば、苦労してでも追いついていこうと

挑戦するのでしょうが、一旦、「失敗」や「挫折」を味わい、

「社会」からすべり落ちると、「敗者復活戦」の最低レベルが

異常に「厳しく・高く・難しく」感じられるのも「正直」な気持ちであります。

この「心境」は、経験した人間でないと、十二分に理解され得ません。

それでも、「嫉妬心」などの「敵意剥き出し」の「疎外感」で、

「社会」に立ち向かうのではなく、こうした「個別体験」から得た感情を

有意義に活かし、「より良き」社会へと進展させていくためにも、

「はたらく」必要があります。

本書は、正規ルートに則った(反社会的という意味ではないですよ、念のため。)

「仕事」の紹介がメインですが、

上記のように、今「引きこもり」や「(ニートなどの)無業者」にも

優しく語りかけながら、別の形での「社会貢献」を呼びかけられています。

一口に、「社会復帰」と言っても、「多種多様なルートがあっていい!!」

そんな「当たり前」のことが忘れられていく時代だからこそ、

もう一度、生きる原点に立ち返って、「はたらく」を考えていきたいものです。

いきなり「高いレベルの<仕事>」を望む必要などありません!!(ゆっくり着実に歩み続ける者は、確実に前進する法則)

さて、このように本書を読み進めながら、「仕事の哲学」にまで

考察が進んで参りましたが、

著者も、強調されてこられたことに、

「思考停止せず、確実に考えながら行動(生き抜いて)いこう!!」が

あります。

自分自身が、「生きづらい」と思って、これ以上は、

前に進み続ける「元気」が出ないと感じられるようになれば、

一旦、「社会」の<主流>から降りて、独自の別ルートを開拓する

準備に入っていくことも大切になります。

21世紀になり、「選択の自由」を看板に掲げた「新自由主義」といった

法と経済が合体した「雇用制度改革(人によっては、改悪!?)」が進展してきましたが、

大多数の人間にとっては、「強者の論理」と考えられるのも無理のないところです。

なぜなら、「選択の自由」が真に確保されているならば、

経済面における「機会均等」も同じく確保されているはずだからです。

著者も、「第5章」の最後のあたりで、「ベーシックインカム制度」の整備など

提案されていますが、「はたらく」能力や意欲が強くあっても、

「再教育・再挑戦」の「場(安全地帯)」が十二分に用意されていないと、

「選択の自由」など「絵空事」だからです

それは、「社会」にとっても、「大損失」でありましょう。

いつもながら強調させて頂いてきましたが、「社会」を「より良く」しようと

願い、きちんとした分析考察を経たうえで、「建設的批評」と「生産的提案」を

されてこられた論者は断言されています。

『「財源」は、確実にあるのだ!!そのために、「国家」が存在するではないか・・・』と。

ちょうど明日から、「伊勢志摩サミット」が開幕されますが、

パナマ文書」などが問題提起した「租税回避問題」もその「明白な証拠」であります。

世界中に、こんなにも「余剰金」が眠っていたのですから。

一方で、本書(197~198頁ご参照)でも紹介されていましたが、

「富裕層向けビジネス」の次は、「BOP(貧困層向け)ビジネス」が話題になっています。

本書では、この「BOP(貧困層向け)ビジネス」の「プラス面」が強調されていましたが、

「マイナス面」も考えておかないと、

世界規模での新手の悪い意味での「貧困ビジネス」ともなりかねない懸念もあります。

「情報」は、「強者の論理」による「偏り」もあり、

「資本」主義自体に内在する問題点も、「情報の<非対称性>」にあります。

いくら、「新自由主義」的な理想論を強く振りかざし、押し通そうとしたところで、

目下のところ、「完全市場」など、どこにもありません。

コンピュータ情報産業の「アルゴリズム」や「ビッグデータ」が、解決してくれるといった

ところで、最終的には、「人間原理(人間の<認知的限界>のこと)」に

強く阻まれるでしょうから、過度な「楽観視」だけは、しない方が良いでしょう。

とはいえ、管理人は、「未来志向」であり、「悲観論者」ではありませんので、

「是々非々」や「長所・短所」などバランスの取れた幅広い視点から、

あくまで「謙虚になりましょう!!」と訴えかけるだけであります。

この「謙虚さ」が、「人類(あるいは、テクノロジーなど)暴走の最後の歯止め」と

なると、考えているからでもあります。

「資本」主義は、何も「貨幣」資本主義だけではないと、管理人も信じてはいますが、

現状の世界情勢を観察していると、まだまだ「貨幣」に重きを置いた

「資本」主義に偏っているようです。

そんな中で、この度の「パナマ文書問題」が、「貨幣」偏重型「資本」主義から

脱却するための「臨界点」になるのかどうかは、現時点では「未知」でありますが、

「<お金>とは何だろう??」と問い続けることは、

「<仕事>とは何だろう??」を考え直すうえでも、

有益な着眼点をもたらしてくれるようです。

そこで、前項目で積み残した管理人独自の「はたらく」を考えるテーマから、

最後の閉めへと向けていきたいと思います。

やはり、現代「労働」観の大本には、前回のブログ記事でも分析考察させて

頂いた「近現代人」という名の「新人類」に対する「相互不信感」にある

言えるでしょう。

「近代」は、「人間」を「自然(世界)」から一旦「切断・切除」したうえで、

「契約更改」で、あらたに「組み替えていく」といった「人間観」「世界観」でしたので、

この「原理思考」が、すべての「苦しみ」の「原点」にあるようです。

「悲観論者」のホッブズベンサムよりも、「楽観論者」のロックJ・S・ミル

「人間観」や「世界観」の方が優勢になったのか、「近代」黎明期の当時は

「明るく」将来を見通しながら、「近代」的価値観に基づく諸制度が

形成されていったようですが、「多様性(寛容性)」に対する共通ルールが

イマイチ明確でなかったためか、「懐疑主義」や「価値相対主義」などの

深刻な「相剋関係」に陥り、世界経済大恐慌や二度の世界大戦を招いてしまいました。

これが、さらなる「相互不信感」を高め、

残念ながら、21世紀現在まで、長く尾を引いています。

そうした「明確」な「共通意識」も弱いために、

「移民・難民問題」などでも理解されますように、

「生存権」に関する「安心感」の「欠如感覚」が、

絶えず深刻な事態を招き寄せているようです。

今朝の新聞でも報道されていたオーストリア大統領選の教訓からも

意見が異なる階層との「相互対話」が、今後の世界が進むべき道であります。

そのことは、本書における経済階層(格差)問題でも共通しています。

「暗い影」もそのまま放置しておくと悪化してしまいますが、

きちんと誠実に真正面から見据えながら、じっくりと「共通意識」を

醸成していくことを、ともに心がけるならば、「閉塞感」を打ち破る

あらたな「打開策」も必ず見つかるはずです。

それこそが、著者とともに考察させて頂きました

「はたらく」の「原点」ともつながります。

「人間」は、誰しも弱く「欠点」がある存在です。

されど一方では、相互の「欠点」を補うことで「生物(類)」として

成り立つ存在でもあります。

これまでの、「近現代」的労働観を始め、ありとあらゆる価値観の

「原理」には、「個体優位」の思想がありました。

もっとも、「(類として)全体主義」に戻れだとか、

極端な「共同体意識」を再構築し直そうなどと呼びかけている訳ではありません。

賢明な読者の皆さんなら、理解して頂けると確信していますが、

要するに、「バランス感覚」の問題だということです。

このように「近現代」的価値観が、「極端(個)から極端(類)(逆も同じ)」へと

揺れ動いてきたところに、「相互不信感」が芽生えてきました。

そのことが、テクノロジーの進展とともに、さらなる「相互不信感」を高め、

「ビッグデータ相互監視管理社会」へと引き寄せられていく深刻な事態にまで

立ち至っています。

だからこそ、「思考停止してはいけないし、絶えず<対話>の機会を探り続ける

面倒くささから逃げてはいけません!!」ということです。

このように、「はたらく」を考えていくことは、協働作業を伴い、

時には孤独作業も伴う「面倒くさくて、しんどい」仕事ではありますが、

最終的には、「はた(隣人)」を「らく(楽)」にしていくことになるのですから、

相互にメリットがあります。

そういう訳で、現代経済における「労働」観が、

過度の「分業化」に依存した「アウトソーシング(仕事の外注化)」など

「軽薄かつ浅薄な」職業意識を助長し、一人ひとりの「はたらき」に込められた「心遣い」が

無視されていく現状には、強い憂慮の念を抱いています。

「手作り作業」で良いではありませんか?

「手間暇かかる」からこそ、「人間らしさ(愛情など)」が

籠もるのではないでしょうか?

その「人間」ならば、「当たり前」の感覚として宿していなければならない

「お約束ごと」が、「はたらく」の原点にはあります。

急速に必要とされる喫緊の課題には、「テクノロジー」が、

じっくりとした深く濃い味わいと落ち着いた「心」を伴った

課題には、「人間」というように、用途や場面に応じて、

適宜「職域」を「棲み分けて」いく時代が、

今後の未来経済における大事な視点なのでしょう。

そのためにこそ、各人各様の「仕事」に対する「美意識」や「倫理観」を

持つことが、強く要請されるところです。

そのことが、勇気をもって、「ブラック環境」を「拒否・撃退」することも出来、

その「味方」になってくれるのが、「テクノロジー」でもあります。

まとめますと、必要以上に「人間の<職業>が、テクノロジーに奪われると心配する前に、

今現在、人間には、まだまだしなければならない課題もたくさん残されている!!」という

ことに集中して、来るべき困難に対処しなくてはならないということです。

確かに、これほどまで変化の速い時代においては、

「キャリア形成」も難しくなる一方ですし、先行き不透明なため、

今ひとつの「働く(学ぶ)意欲」すら沮喪させられる現状にあります。

とはいえ、あまりにも先のことを見通しすぎて、

只今現在の貴重な時間を喪失させる姿勢も<考えもの>であります。

この「情報過多」の時代を、どのように「生き抜く」のが、

精神的にも物質的にも「楽」なのかは各人各様の生活環境の違いもあって

一律な「正解」をここで提案させて頂くことなど出来ませんが、

以下のことだけは言えましょう。

「結局は、各人各様の<置かれた場所>で地道に歩み続けること」

「ゆっくりと歩み続ける者は、確実に前へと進む」ということです。

最後に、前にもご紹介させて頂き、著者ともかつて職場を共にされていたという

西谷昇二先生の言葉をご紹介して、筆を擱かせて頂きます。

『人間負けたら終わりじゃない、やめたら終わりだ』

そして、再度、著者の言葉で締めくくらせて頂きます。

ともに、困難な時代を「生き抜く」ための合い言葉は、

「You  are  not  alone!(あなたは、一人じゃない!)」であります。

そのためには、「はたらく」ことを通じて結び合う「ご縁」も

大切にしなくてはなりません。

『「はたらく」から「ご縁」へ、「ご縁」から「はたらく」へと

いった好循環こそ、誠に得難く有り難いものであります。』

さぁ、「仕事する元気」も湧いてきました!!

管理人も「小休憩」の後、また「仕事」を頑張ろ~っと・・・

皆さんもともに「より良く生きやすい社会」を目指して、

「はた」を「らく」にしていきましょうね。

いつも応援して頂いて、厚く御礼申し上げます。

なお、「働き方」を考えるための好著として、

「自分の仕事をつくる」

(西村佳哲著、ちくま文庫、2009年)

「みんな、どんなふうに働いて生きてゆくの?」

(同上、弘文堂、2010年)

「自分をいかして生きる」

(同上、ちくま文庫、2011年)

「僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?」

(木暮太一著、星海社新書、2012年第4刷)

また、「仕事術」や「勤め方の多様性」については、

「勤めないという生き方」

(森健著、メディアファクトリー、2011年)

「ひとり仕事術」

(中本千晶著、バジリコ、2005年)

「ひとり仕事術~時間管理編~」

(同上、同上、2007年)

さらに、「フリー」のための経済基盤設計論として、

『会社が傾いても「自分だけは大丈夫」病』

(深野康彦著、講談社+α新書、2012年)

『フリーランスの教科書』

(見田村元宣・内海正人共著、星海社新書、2012年)

最後に、「モチベーション論」として、

『決断なんて「1秒」あればいい』

(桜井章一著、ソフトバンク文庫、2011年)

「修羅場が人を磨く」

(同上、宝島社新書、2011年)

をご紹介しておきます。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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