イアン・スチュアート氏の「自然の中に隠された数学」から、宇宙の神秘と生命の尊厳を学ぼう!!

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「自然の中に隠された数学」

イギリスの数学者であるイアン・スチュアート氏が、

宇宙の美しさと生命の躍動感を複雑系科学の紹介を

兼ねて、わかりやすく解説してくれています。

人類の歴史も、21世紀に入り、一巡してきたようです。

宇宙の驚異的な複雑さから、単純な法則と働きを導き

17世紀以降の近代科学と現代文明を構築してきました。

その急速な進歩は、私たちに多大なる恩恵を与えてきたのと

引き換えに、自然界に亀裂をも生じさせてきました。

そこで、もう一度「原点」に戻ろうとして出てきたのが、

「複雑系科学」でした。

今回は、この本をご紹介します。

「自然の中に隠された数学」                (イアン・スチュアート著、吉永良正訳、草思社、1996年)

イアン・スチュアート氏(以下、著者)は、イギリスの数学者です。

数学史やカオス理論などの分野で活躍されています。

「カオス理論」とは、日本では一般に「複雑系科学」として

あらゆる分野で親しまれているようです。

この本は、20年前に出版された本ですが、この本を読むと

「カオス理論」(複雑系科学)が、意外に新しい学問だということを

発見することが出来るでしょう。

有名な事例としては、「バタフライ効果」などが、テレビコマーシャルの

影響などでご存じの方もおられるかもしれません。

21世紀現在、学問の分野では「あらたなルネッサンス」を迎えようと

しているのかもしれません。

17世紀のデカルトから本格的に始まったとされる「近代科学」も、

現実世界への不適応が至るところで生じてきたためか、見直し作業が

続けられています。

とりわけ、20世紀初期におけるハイゼンベルクなどの「量子理論」は、

現代社会に大きな革命をもたらしました。

「私たちが、現実世界で体験している手触り感ってどこまで確かなの??」

量子物理学的世界観では、確率統計的な「不確定・非決定」な世界観が

見えてきました。

そのことが、「相対性理論」を築き上げてきたアインシュタインをも

不安にさせたようです。

この一見「古くて新しい違和感」こそ、「カオス理論」は説明してくれるようです。

「この宇宙には、様々な数学的構造が隠されているらしい!!」

太古の昔から、人類はその「神秘的な数学的世界観」に憧れてきましたが、

「複雑にして単純、単純にして複雑」な自然の仕組みには驚異を抱いてきました。

冒頭でも語りましたが、21世紀現在における人類は再び「自然の神秘や驚異」を

再発見し、共存共栄社会を取り戻そうと、「原点回帰思考」が芽生え始めている

ようです。

そこで、現代文明にも欠かせない「カオス理論の世界」と「自然の中に隠された

数学」の世界を皆さんとご一緒に探索することによって、人類史における

「新たなる第一歩を踏み出していく勇気とヒント」を得て頂こうと思い、

この本を取り上げさせて頂きました。

らせん・渦巻き構造から「いのちのリズム」が生み出される!?

「カオス理論」については、本格的な学問研究が始まって、

まだ数十年くらいしか経っていないようですし、難しい専門用語を

用いて理解した気分を味わってみたところで、

不誠実さは否めませんので、ここでは語らないことにします。

この本の長所は、理数系分野にあまり馴染みがない方にとっては、

若干読みづらい箇所もあるかと思いますが、「専門書」のような

難しい専門用語は最小限に抑えられながら、

自然界にある美しいエピソードなどを交えて、「カオス理論」の

世界を探索出来るところにあるようです。

宇宙の根本を支える世界構造には、数字があるらしい・・・

前回ご紹介させて頂いた量子物理学者パウリが、

のめり込んでいった「1/137」の世界についてもわかりやすく

触れられています。

前回ご紹介させて頂いた本では、難しい理数系の知識も散りばめられて

いたこともあり、理解しにくかった場面でもありますが、この本では

本当に「さらっと」流していますので、非常に理解しやすかったです。

特に、「複雑系科学」でも重要キーワードとなるらしい「対称性の破れ」

のイメージはつかめやすかったので、わかりにくかった方にはお薦めです。

「神は軽い左利きである」(パウリ)という言葉の紹介とともに、

純粋な自然界では、「ゆらぎ」の中で振動しながら躍動しようと待ちかまえて

いる様子が実感されます。

「対称性と非対称性(ズレ)」は、「秩序と無秩序の無限回転運動」とも

言い換えるなら、面白いことが発見されます。

「この自然界に存在するすべての事象(現象)には、必ず何らかの意味がある!!」

という「数学的暗号」です。

この本でも触れられていた量子物理学者デヴィッド・ボームは、

比喩的なイメージを使って、「不確定な世界を決定的」に説明しようと

されてきたようです。

数学者である著者や、専門家からすると、説明方法に難点もあるそうですが、

文系の管理人からすれば、比較的難しい「量子世界」をイメージしやすい

説明を提供してくれる学者でもあるので、親しみを感じています。

この本では、「生命のリズム」という章もありますが、今や数学は

あらゆる学問分野で活用されているようですね。

「複雑にして単純、単純にして複雑!!」

「偶然と決定が混じり合ったミドルワールド」

「ミドルワールド」については、前にも当ブログでご紹介させて頂きましたが、

どうやら「いのちの誕生」は、このゆらぎのある「中間場」から出現してくる

ようです。

この「生命発生源」については、まだまだ未知の領域でもあり、様々な学者が

探究を試みている最中ですので、断定は出来ませんが、「不思議な世界」で

あることには間違いないようですね。

カオス理論とサイバネティックス理論

この「カオス理論」の応用から生み出されてきたものに

「サイバネティックス理論」があります。

自然界にある「いのちのゆらぎ」からの発想を得て、

機械の「人工的制御装置」として活用されています。

ここから得られるヒントにも、

「人類(自然)と機械(人工知能)との共生関係」を

考えていくうえで大切な視点(要素)が含まれているようです。

著者は、数学者でもあることから、現代の「経済産業界」にも

一家言あるようですが、本来「純粋数学」と「応用数学」と

いった「区別」はないことを強調されています。

この辺りの主張には、理系研究者の方なら大きく同意される点も

あるかと思われますが、「基礎研究なくして応用研究など無理!!」という

教訓でしょうか?

その点は、文系研究者でも同じようですが・・・

「効率的な目標」を掲げても、自然界は「一挙な解決ヒント」を

与えてくれないようです。

「まったく関係ないような世界から、実用化のヒントが

ある日突然立ち現れてくる!!」

まさに、複雑系科学のテーマですが、「予想外」である点にこそ、

私たちは、「自然の声」に謙虚に耳を傾けなければならないようですね。

言い換えるなら、「そんなに結果を急ぎすぎなさんな!!

人間さんよ、もっと路傍の片隅で秘やかにうごめいているリズムと

同化して遊んでいきなさい!!」というメッセージでしょうか?

著者も最後のメッセージで、「数学の形学化」を目指されているようです。

「数学には、形ある世界がありメッセージがある!!」

「数」の学問としての「数学」ではなく「形」の学問としての「形学」

著者は、それを「モルフォマティックス」と名付けておられるようですが、

なかなか面白い発想ですね。

数学者の方って、結構ロマンティックで「牧歌的な文人」のようで

親しみやすいようです。

この本を読むと、文系人にとっても理数的世界への興味の扉が開かれていきます。

全編、一般人向けにわかりやすく書かれたエッセーですので、親しみやすいでしょう。

「複雑系とは何か?」については、今回あまり触れることは出来ませんでしたが、

また機会あればご紹介していきたいと思います。

その時まで、「乞うご期待!!」でございます。

「複雑系」だけに、簡潔に語ることは出来ませんが、

「自然の中に隠された数学」の世界の一端がかいま見られたのではないでしょうか?

皆さんもこの本をご一読されると、自然界からのプレゼントが得られるかもしれませんね。

是非お読みして頂きたい1冊であります。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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