「楽観主義者の未来予測(下)~テクノロジーの爆発的進化が世界を豊かにする」潤沢な世界実現へ向けて再出発しよう!!

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「楽観主義者の未来予測(下)~テクノロジーの爆発的進化が世界を豊かにする~」

人類は、これまでも周期的変動を繰り返しながら

何とか生存してきました。

いつの時代も、未知の領域に突入していくことには

「不安やおそれ」が必ず付きまといます。

「未来を信じ、明日を生きる者へバトンタッチ!!」

この言葉を、先人が胸に秘めながら邁進してきて

下さったからこそ、今の私たちの生活があるのです。

それでは、昨日に引き続いてこの本をご紹介します。

「楽観主義者の未来予測(下)~テクノロジーの爆発的進化が世界を豊かにする~」(ピーター・H・ディアマンディス&スティーヴン・コトラー共著、熊谷玲美訳、早川書房、2014年)

昨日に引き続き第2回目の記事です。

前回の簡単な要約をしておきましょう。

人類は、テクノロジーの急激な技術革新の恩恵を

享受しながら「潤沢な世界」へ向けて邁進してきました。

しかし、その「急激な進化」は同時に「恐怖感」を

もたらしてきたことも事実です。

いつの時代も、人類は「未体験ゾーン」に対して、

過剰反応するという認知上の「脳のクセ」があるようで、

その傾向性が「悲観的な世界像」を創造してきました。

最新脳科学の知見でも、人類は「原始的な情動反応」を

最初に引き起こすことが判明してきたようです。

もちろん、これは人類が「未知の世界」で生存していくために

自然が組み込んだ「脳内プログラム」であり、進化の結果から

創造されてきたことも解明されているようです。

人類は、長期間「欠乏感」に悩まされながら進化してきました。

その記憶が、脳内に奥深く刻まれているために、なかなか

「楽観的」になることが難しいのでしょう。

著者は、その「心理的壁」を突破するための知見を、神経経済学者の

ダニエル・カーネマン氏の「仮説」を紹介することで、私たちの

「悲観的な見方」の転換を図ろうと呼びかけています。

まずは、それが「第一歩!!」だと・・・

この前置きを大前提として、テクノロジーの進化が

人類にもたらしてくれた利点を考察します。

著者は、終局的に「潤沢な世界」を実現させるために

不可欠な土台をピラミッドに例えながら、一歩ずつ「基礎工事」を

進めていく作業工程を現状分析とともに詳細に解説していきます。

アブラハム・マズローの「欲求理論」をアレンジして、

最下層から、

①食糧・水・住居

②エネルギー・教育・情報通信技術

③健康・自由

という「階層」のイメージを、読者と共有しながら

テクノロジーの進化が人類に与える影響について

考察していきます。

テクノロジーは、人類の「知的枠組み」をも変革させる。

特に、情報通信技術が教育を抜本的に変えていくと・・・

人類は、本来お互いに「共同作業」しながら「共進化」していく

性質があるという視点を取り戻すことによって、従来型の

「トップダウン式教育」を乗り越えていく未来予想図が描写

されます。

成長し続ける「情報集約型経済」においては、創造的な考え方が

「究極の資源」になる。

そして、すべての基礎に据えられるのが「エネルギーの安定」です。

とりわけ、「水と光」は人類の安定的な生存状態を持続可能にする

ためにも重要になってきます。

上巻では、ピラミッド構造のうち、主に①②の途中まで説明されて

いました。

下巻では、DIY(Do It Yourself=自給自足)」というキーワードを

テーマとして、現代社会を変革させていく社会起業家が紹介されています。

ということで、私たちも彼ら・彼女ら「時代の先駆者」の後に続いて

学びながら、「社会変革運動」に積極的に参加していきましょう。

「Do  It  Yourself」を合い言葉に協力する社会起業家

「DIYイノベーター」

昨今、長引く不況の中で「自炊型生活」がテーマとなる

テレビ番組にも人気があるようです。

下巻では、まずこの「DIY」を実践する人々の紹介から

始められています。

アメリカでは、「独立革命」から現代まで「独立行動家」を

尊重してきた歴史的事情があったようです。

イギリスから独立して自前で「新世界」を構築していかざるを

得ない環境が出発点でした。

古くは、前にもご紹介させて頂いたヘンリー・D・ソロー

エマソンなどから現代のIT起業家まで、「新規開拓者」としての

人生を歩んでいきました。

1960年代の反体制文化を象徴した「ヒッピームーブメント」に

おいて、あらためて「自治的生活」が見直される機運が生じました。

下巻冒頭で紹介されているスチュアート・ブランドも「再発見」した

一人だったようです。

とはいえ、「農村コミューン運動(生活)」は、政治的にどのような

立場に立つにせよ、「技術的無能力者」だと生き抜くことも不可能になり、

すぐに行き詰まってしまうのが「オチ」です。

「成功の秘訣は、1にも2にもDIY能力のあるなしに左右される!!」

そして、そのような「適切にして誰にでも使い勝手のあるツール」が

あれば、「自足生活」も可能になる。

そのことを、現代IT文化の中で、「再発見」したのが、

フレッド・ムーアでした。

ちなみに、現在の「PC(パーソナルコンピュータ)」という用語の

「生みの親」が上記のスチュアート・ブランドだそうです。

最近では、「フリー」などの著作で

日本でも著名なクリス・アンダーソンも紹介されています。

あの「ドローン(無人飛行機)」で一躍有名になった人物でもあります。

ついに「DIYバイオ」まで、一般人が高度な知性がありさえすれば、「自宅」で

創造することが出来るようになった事情も描写されています。

そのような「DIYテクノロジスト」を資金面で支援してきた「慈善事業家」が、

「テクノフィランソロピスト」です。

こうした人々の「新たな投資先」には、「社会の最底辺の潜在的需要層

(ライジング・ビリオン=上昇しつつある億万長者??)」がいます。

世界の「フラット化」(トーマス・フリードマン)が進展する一方通行の

「経済市場」では、従来型の「経済観念」は通用しません。

そうした時代の流れの中で、「投資家」の行動パターンも変革期を

迎えているようです。

「機を見るに敏!!」でなければ、投資家の役割は果たせません。

私たち資金を潤沢に持たない一般人も、こうした投資家の動きを

無視しては生きていけない時代にいることを忘れてはいけません。

つまり、「お金の流れは変わった!!」ということを前提に

仕事を組み立てないと大変なことになります。

読者の皆さんをことさら不安にさせる訳ではありませんが、

こうした事情を冷静に見据えておかないと早晩行き詰まる

ことにもなりかねません。

著者も、テンポの速い現代テクノロジー事情だからこそ、

あえて厳しく強調されているところでもあります。

「フラット化」と言えば、先進国に住む私たちのイメージでは、

ますます「貧困化」していくのではないかと思われますが、

事実としてこの流れは止めようがありません。

しかし、視点を狭い「先進国」の住人という立場から離れて、

スチュアート・ブランドも夢中になったという「宇宙船地球号」の

乗組員として「全人類」を俯瞰的な視線で眺めれば、世の中は

万人に公平をもたらしていく方向で進化している様子が見て取れます。

「私たちは、つらくてしんどくても、後からやって来る

人々の梯子を外してはいけません!!」

なぜなら、私たちも先人からその「梯子」を引き継いで生きてきたからです。

この本では、発展途上国事情も詳細に解説されていますが、

現代社会では、もはやいかなる意味でも「権威的恐怖体制」は許されるもの

ではありません。

情報通信革命は、「政治経済の民主化」の速度も否応なしに促進させます。

このことは、必ずしも「良い方向」に進むとは限りません。

著者も強調されているように、「情報通信」そのものは「中立的」だからです。

それでも、「良心的なサイレントマジョリティー(物言わぬ大多数)の声」こそ、

世界を良くする行動へと人々を導いてきたことは、忘れてはなりません。

ピラミッドの頂点にある「究極的な自由」を目指して・・・

さて、下巻では、そのようなテクノロジーに

不可欠な「エネルギー問題の解決法」と「教育」や「医療福祉」の

進むべき方向性も示唆されています。

人間にとっては、本ブログ記事冒頭のアブラハム・マズローが体系化したように

「自己実現」のためには、最低限「衣食住」を満たしたうえで、

さらなる豊かな社会を目指していくには、「教育・医療福祉・情報通信」を

欠かすことが出来ません。

それが、「究極的な自由へと続く道」だと・・・

現在先進国では、ことに日本社会では「脱経済成長」というキーワードの

書籍が満ち溢れていますが、そのような一連の書籍の主張に

「悲観的な響き」を感じてしまうのは、管理人だけでしょうか?

日本の言論事情は、どうも「極端から極端へと揺れ動いている!!」ようです。

その中でも、上記タイトルのような「ピラミッドの頂上を目指すような生活」には

多大な皮肉や不快感も念じ込まれているようです。

もちろん、管理人も「生活の質」という観点からは、

良識ある「ミニマリスト(最小限生活主義者)」から多くのことを

学ばせて頂いています。

それでも、やはり現代の「森の生活(隠遁的生活スタイル)」には、

「テクノロジーとの共存」が欠かせません。

その意味で、「古典」は常に時代状況と個人事情に合わせて読み替えて

いかなくてはなりません。

「古典」が良質であればあるほど、自由自在に「読替可能」を

認めるものでなくては、厳しい時代の風雪に耐えられるものとは

到底思えないからです。

紙数の関係上、「エネルギー」「教育」「医療」についての

詳細は、これ以上語ることはしませんが、そのあたりのことは

この本をご一読下さいませ。

すばらしく「現代の最先端事情(世界の動向)」を学ぶことが出来ます。

この本でも紹介されているエリック・シュミット氏やジャレド・コーエン氏は、

次のように指摘されています。

「権力共有の新時代には、単独で前進できる人はいない」(下巻172頁)

のだと。

いずれにせよ、テクノロジーの進化は「個人の自己能力獲得」が得られ、

意欲的な人間にはチャンスが平等に開かれていることは確かなようです。

そのためにも、情報通信革命が与えてくれた「新しい教育ツール」を

最大限に活用して「相互学習」していく必要があります。

「トップダウン方式」ではなく、各人の「習熟度」に従って、

「ともに教え学びあいながらのボトムアップ方式」の「教育学習法」へと

私たちの「頭脳」も造り替えなければならないようです。

そうした地道な学習が、人々に安らぎと幸せを与えることにつながります。

最後にこの本でも触れられていますが、資源にせよ各人の能力にせよ、

「有限」だからこそ、お互い支え合って生きていかざるを得なかったのが、

人類史の教訓です。

「有限」は、何も悲観的な「欠乏感」だけをもたらすものではないようです。

何事も、この世界は「多義的な要素」につつまれています。

私たち人類が、この究極的な「自由への長き道」(ネルソン・マンデラ)を

歩んでいくためには、決してこのことを忘れてはいけません。

その意味でも、一人一人の独特な「創造的アイディア」が不可欠です。

あらためて、人類の「協和精神」を目覚めさせてくれたのが、この本でした。

皆さんも、この本を読みながら「楽観的な未来予測」を描いてみませんか?

なお、本文でも触れさせて頂いた

クリス・アンダーソン氏の以下の著書として、

まず、この本と一番関連のある

「メイカーズ~21世紀の産業革命が始まる~」

(関美和訳、NHK出版、2012年)

「フリー~<無料>からお金を生みだす新戦略~」

(小林弘人訳、NHK出版、2009年)

「ロングテール~「売れない商品」を宝の山に変える新戦略~」

(篠森ゆりこ訳、ハヤカワ文庫、2014年)

そして、レイチェル・ボッツマン&ルー・ロジャース氏の

「シェア~<共有>からビジネスを生みだす新戦略~」

(小林弘人監修・解説、関美和訳、NHK出版、2010年)

をご紹介しておきます。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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