リヴァ・フロイモビッチ氏の「僕たちが親より豊かになるのはもう不可能なのか」ジェネレーションY世代の厳しい生活事情!!

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「僕たちが親より豊かになるのはもう不可能なのか」

アメリカのジャーナリストである

リヴァ・フロイモビッチ氏が、各国「若者の絶望」の

現場を歩いて取材した貴重なドキュメント資料です。

著者は、「ジェネレーションY世代(1976~2000年生)」の

若手ジャーナリストです。

各国の「ロスジェネ世代」の赤裸々な生活事情を、

多くの方に知って頂きたい1冊です。

今回は、この本をご紹介します。

『僕たちが親より豊かになるのはもう不可能なのか~各国「若者の絶望」の現場を歩く~』(リヴァ・フロイモビッチ著、山田美明訳、阪急コミュニケーションズ、2014年)

リヴァ・フロイモビッチ氏(以下、著者)は、アメリカの若手ジャーナリストとして

活躍されています。

ご両親はソ連(現:ウクライナ)出身で、若き日にアメリカに

自由を求めて移住した「アメリカンドリーマー」だそうで、

著者はその2世です。

著者は、「ジェネレーションY世代(およそ1975年~2000年生まれ)」

であり、日本なら「ロストジェネレーション世代(以下、ロスジェネ世代)」に

該当するようです。

2016年現在、およそ20代後半から40代前半の青壮年が、

この世代だと言われているようです。

管理人も、まさに「ロスジェネ世代」・・・

日本国内でも、生計を立てるのが日増しに困難になる一方ですが、

各国(本書では、主に先進国と新興国)の「若者の絶望」の現場を

歩いて得た貴重な取材資料によると、どこも同じ事情のようです。

管理人は、嫉妬心などを煽るような「世代論」は、「百害あって一利なし!!」

の立場ですので、あくまで冷静に考察していきたいと思います。

本書でも、若者世代による前世代への「抗議運動」の現場の声が描写されていますが、

このような場面からは、「現に生きるすべての世代の課題」を建設的に解決していく

ためのヒントとして、考察していきたいと思います。

さて、本書を読み進めていくと、おそらく皆さんも「嘆息」されることでしょう。

「正直あまり読む気が進まない!!」と思われます。

なにせ、現実の生活自体が、すでに「つらく、苦しい!!」のですから・・・

それは、管理人とてまったく同じです。

しかし、少しでも「前に進む」ためには、「現実から目を背ける」ことも

出来ません。

ならば、同じような境遇にいる者同士「共感共苦」を共有しながら、

「連帯」した方が、「突破口」を開くきっかけを少しでもつかめるかもしれません。

まず、最初に断っておきますが、本書の取材対象は、著者がジャーナリストという

「高学歴層」なので、すべての若者世代に当てはまるようなサンプルではないと、

感じられることです。

どうしても、サンプルとしては「バイアス(偏り)」が、かかっている

かもしれないことを前提のうえで、ご一読下さいませ。

また、著者が「アメリカ人」であることも考慮に入れておかなくては

なりません。

とはいえ、各国の「ロスジェネ世代」は、全般的に「高学歴」の有無を問わず

本書で描写されたような生活事情と「似たり寄ったりの状況」を

体験された(現在体験中・・・)ことのある方が、大半だと思われます。

もちろん、個々の生活事情は異なりますので、「断定」は控えさせて頂きますが、

「生活困難度」が日々厳しくなっていく実感には、皆さんも

共感して頂けるのではないでしょうか?

ということで、皆さんにも、日本国内だけでなく世界にも視野を拡げて頂き、

何かしら学び取って頂けるものがあれば、管理人としても幸いであります。

今回取り上げさせて頂いたのも、「絶望とともに希望の灯火」を獲得するための

ヒントを、少しでも多くの方々に受け取って頂きたいからです。

それでは、本書を読み進めながら、皆さんとともに考察していきましょう。

借金を過剰に抱えさせられる若者

本書では、各国の「ロスジェネ世代」の生活事情が、取材の結果、

赤裸々に判明していきます。

特に、若者の「高学歴」を就職の条件とする経済社会では、

各家庭の経済事情によって「教育格差」の幅が拡大します。

それによって、将来の収入格差もますます拡大していく訳ですから、

大多数の若者に無用な焦燥が掻き立てられていきます。

このような環境が、常態化すればするほど、「学ぶ意欲」も殺がれていきます。

一般的には、「いや、むしろ、必死になって学ぼうとするのでは・・・」と

思われる方もおられるでしょうが、それも「程度の問題」です。

つまり、今日多くの若者が「就学」や「就職」や「職業訓練」の機会が

奪われていくにつれ、ある段階で諦めてしまい「ニート」や「引きこもり」

状態に追い込まれることが、証明しています。

ましてや、「支援のための各種制度」が財政難を理由に打ち切られていくと

なれば、なおさら、そのような状況に追い込まれていきます。

「失われた20年間」において、極度の財政状況悪化をおそれて

教育投資などの、絶対に不可欠な「公共投資」を怠ってきたつけです。

例えば、本書でも大きく取り上げられていた「奨学金制度」です。

この「奨学金制度」ですが、これも「ロスジェネ世代」の年代によっても

返済事情が大きく変わっていくようです。

比較的「好況」の時期に借り入れることが出来た若者と、「不況」の時期に

おいて、これから借り入れようとする若者とでは、状況も大きく異なります。

いずれにせよ、「学歴取得」のためだけに「過剰な借金」を

背負い込まなければならない事情には、相違ありません。

しかも、就職に失敗すれば「返済不能」になりますし、その後の「人生計画」も

大きく狂わされます。

民間奨学金制度よりも、公的奨学金制度の方が、

意外に厳しすぎる事情も描写されています。

なぜなら、本書で取材された時点では「破産」も許されていないことから、

「再出発」の道がまったく閉ざされてしまうことになるからです。

それと同時に、年々学費がうなぎ登りに増加し続けていることも、

若者の意欲的な「社会への新規参入」を妨げさせます。

アメリカでは、日本とは異なり、「カード社会(借金社会)」の

ようですが、こうした習慣も拍車をかけているようですね。

若者は、どこで「社会能力」を身につけたらよいのか??

まさに、これこそ本書の最大テーマですが、

社会に出る前からして、すでに「機会の均等」が歪められている

ところに、大きな難関が立ちふさがっています。

就学に成功したとしても、現状の「教育内容」が、社会のニーズに

合わないにもかかわらず、学費だけが負担となっていく構造・・・

インターンシップ制度(試験雇用のようなものです。)を経験するにせよ、

個別の「就職」が保証される訳でもない事情・・・

「就職」出来たとしても、「非正規不安定雇用の常態化」などなど・・・

こうした社会状況は、各国とも同じのようです。

そのような事例が、本書には「山ほど」出てきて「絶句」してしまいます。

著者は、「自分の力で苦境を脱するには・・・」という章で、

様々な提案をされていますが、もはや事態はそのような「生やさしい」もの

ではありません。

著者は、ドイツの事情などを肯定的に評価されているようですが、

管理人の知り合いの「ドイツ留学組」などからの情報だと、

本書では、決して取材出来ないような「過酷な事情」も多々あるようです。

著者は、比較的リベラルな見方をされておられるようですが、具体的な

「移民・難民問題」については、もっと慎重に取材をして触れられるべき

ではなかったかと、思われます。

著者自身、「移民2世」なので、そのあたりの取材調査は、

もっとシビアかと推測しながら、

読み進めていただけに残念でした。

むしろ、「移民」の家庭に生まれ育たれたからこそ、今後の

人類の進むべき指針となる「貴重な教訓」を

教えて頂きたかったのです。

著者は、このような予測不可能な時代には、

①創造性②柔軟性③先見性

を、もっと発揮すべきだと語られていますが、その能力も

万人誰しも直ちに身につけることは難しいという点を、

もっと具体的に描写してほしかったところでもあります。

「それが出来れば、苦労はないよ!!」と、おそらく

読者の方も思われるのではありますまいか・・・

管理人は、もとより、リベラルな方を非難中傷する訳ではないですが、

リベラルな方は、概して「グローバル化」を過度に「楽観的に見る」

バイアスがあるようです。

経済環境は、各国の習慣なども大いに関係しますし、無視出来るほど

「甘いもの」でもありません。

ですから、余裕がない状況では、雇用も「国内優先」となってしまう

ナショナル化傾向を一概に否定することは出来ないと思われます。

そのことは、まさに本書の取材結果が裏付けています。

つまり、「どこに行っても同じ!!」だと・・・

著者は、「高学歴」で「移民」の家庭に育たれたようなので、あまり

「言葉や文化の壁」について困難を感じておられないようで、

外国で仕事することには慣れておられるようですが、一般人にとっては

それこそ「夢のような世界」だということも考慮に入れた取材をして

ほしかったと思います。

とはいえ、どのような個別事情があるにせよ、目下の経済環境では、

まともに、「社会能力」を身につけることが著しく困難である点は

変わらないようです。

本来は、失業しても「柔軟な就学・就業訓練」を個人の負担なく

万人が享受可能であれば、「社会の安全弁」になったのに・・・と、

考えると、「ロスジェネ世代」の嘆きは、より一層強まります。

本書では、様々な若者の「抗議運動」についても取材されていましたが、

世の中には、それすらも「完全に自信喪失」して声を上げることが

出来なくなった「サイレントマジョリティー(物言わぬ大多数)」が

いることも、決して忘れてほしくないところです。

そのあたりの「つっこみ」が本書の取材には物足りなかったのか、

ただ不満を抱えた若者たちの印象しか残らなかったところは、

正直残念でした。

いずれにせよ、著者も語っていますように、この「過酷な現状」は

世界中で長期化する傾向にあるようです。

管理人も不満ばかり言っても、「何も生産的な解決は得られない!!」

考えていますので、ここでこれ以上厳しい指摘はしませんが、

少しだけご参考になるかと思いますので、問題提起させて頂きます。

まず、著者のように「自力で脱出」しようとする各人の「ミクロの努力」は

もちろんすべきこととして、やはりそれにも「限界」があることは事実として

認めなければなりません。

なぜなら、「意欲的に挑戦」するにせよ、「マクロ」による「経済支援」が

なくては、個人にとっては負担が大きく厳しすぎるからです。

「お金は、本来人間の命を守るために最優先して使う道具」です。

現代経済では、どう考えても「手段と目的」が転倒しているようです。

「金融政策」重視で、「マイナス金利導入」による「実体経済補強」という

アイディアは、良しとしましょう。

しかし、現実に「実需」はどれだけあるのでしょうか?

これまでも、数年にわたり「異次元の金融緩和」をしてきた結果が、

現状なのですから・・・

また、「増税」によって「相殺」され、「実需」も民間主導による

「自力回復」が損なわれている条件にあるならば、「積極的財政政策」として

本文でも語りましたように、未来のための「教育・雇用促進投資」を

していくべき時期ではないでしょうか?

さらに、「実需」が冷え込み、賃金も安定的に上昇していかない中で、

「増税」と「各種社会保険料の値上げ」は、低所得層にとって「甚大な被害」を

もたらします。

このような経済状況が、さらに長引くと、

国民の心に辛うじて残されている「健全な精神」も完全に病んでしまいます。

管理人の周りの若者にも、すでにたくさん生じてきているようなので、

とても「他人事」とは思えないのです。

著者も、「緊縮政策」はあくまで現役世代の生活を安定させながら、

「長期計画」で無理なく「返済計画」を立てるべきことを強調されています。

もちろん、次世代のための「長期投資」も不可欠です。

日本の昔からのことわざにあるように、「二兎を追う者は一兔をも得ず!!」です。

「あれも、これもの欲張り戦略は、かえって風邪をこじらせます!!」

ということで、本書の内容だけに「非常に重たい気分」で綴ってしまいましたが、

すべては「皆さんのために・・・」ですので、お許し下さいね。

本書は、管理人のような世界各国の「ロスジェネ世代の声」が詳細に語られた本

ですが、どうしても「違和感」が残ってしまうのも、「高学歴層」が

無意識に抱え込む「自力脱出法」でしょうか?

それにしても、「自信喪失した人間救済法や、いかに??」

管理人は、いつもこの「問題意識」を抱え込んでいます。

いつもながら、「即効性などない!!」のですが、これからも

皆さんとご一緒に考察していければと思います。

まるで、自分の「内面」を観察しているようで、読み進めるうちに

苦しくなったのです。

季節が季節だけに、管理人もまた「抑鬱のサイクル」に入ったのかもしれません。

それでも、「書くことこそ、何よりも心の精神安定剤」だと信じていますので、

読者の皆さんには、「不快な気分」にさせてしまったかもしれません。

最後に「お詫び」と、それでも最後までお読み頂いた読者の皆さんに

「感謝」しながら、筆を擱かせて頂きます。

なお、日本の「ジェネレーションY」について、

「ジェネレーションY~日本を変える新たな世代~」

(日本経済新聞社、2005年)

若者の「借金事情」については、

「目覚めよ!借金世代の若者たち」

(アーニャ・カメネッツ著、

山村宜子・ライス山村直子共訳、清流出版、2009年)

をご紹介しておきます。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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