「絶望・不条理に立ち向かえるか!!」カフカより君たちへ告ぐ!?
「あぁ、今日も気が進まねぇ~」
とある一日・・・
「人生は不条理だ」
「もう絶望的だ」
思わず叫び出したくなる時。
そんな時に「絶望の達人」カフカは、
日記形式で「つぶやき」ました。
今回は、この本をご紹介します。
「絶望名人カフカの人生論」 (カフカ著、頭木弘樹編訳、新潮文庫、2014年)
※ 飛鳥新社より出版された単行本(2011年)を再編集・加筆訂正して文庫化されたものです。
カフカといえば、あの短編集『変身』
学生時代に「薄い」ということもあって、
「読書感想文のネタ」にされた方も多いことと思います。
青春時代。
特に「思春期まっさかり」の「暗く悩ましい時期」・・・
カフカほどではなくとも、「人生の第一関門」で
この本に支えられたという方も多いでしょう。
実は、この本以外にも「絶望つぶやき集(日記・手紙)」があるのです。
そのうちの一部を編集して出来たのが、この本。
この中にあるカフカのメッセージを参考に、
皆さんも自分なりの「つぶやき」をしてみませんか?
「強さはなく、弱さはある」
~ぼくは人生に必要な能力を、
なにひとつ備えておらず、
ただ人間的な弱みしか持っていない。~
(八つ折り判ノートより)
「強さ」だけが求められる「不条理な一般社会」
「生きるためにお金を稼ぐ」
このことに毎日戸惑ってしまう自分。
「仕事」を介して人とつながることも
大変な日々。
「一般人」は、この問題点にまっすぐ向き合わずに
視点を何とか本道からそらそうと「知恵」を振り絞ります。
一方で、カフカは、ここから目をそらさず直視していきます。
「絶望・不条理」
生きている限りこの「難問」から逃れることは
誰にも出来ません。
生前、カフカは少数の人にしか理解されませんでした。
その少数の人に「リルケ」がいます。
「若き詩人への手紙」
「マルテの手記」
などで有名な作家です。
日本では、「三島由紀夫」が評価していた作家です。
「若き作家」
「駆け出しの作家」
にとって、心の内は「繊細でもろい」です。
カフカもご多分に漏れず、「書きあぐねていた」
「文学だけでは生きていけない」
と、「役所勤め」を嫌々続ける絶望の毎日。
そういえば、あのアインシュタインも若き日は
特許局という「役所」に勤めていましたね。
「パンのための仕事」に身を費やす大方の人間
にとっては、「生きられた時間=仕事」を無性に
求めたがるもの。
その心理は、よく分かります。
現代社会において、
「生きるために必要なお金を稼ぐ」
というのは、「別の特殊な才能」が要求されますものね。
ここで、つまずいてしまうのです。
暗闇(絶望・不条理)に潜む光の影を求めて・・・
身辺雑記の重要性。
人は「書くこと」によって、
「自分とまっすぐに向き合える」
そのように思います。
どうしても、「口頭言語」だけでは、
「拡散」してしまいます。
「意識の集中」が難しいのです。
でも、「書くこと」は一歩立ち止まって
内面を探る作業。
「正直しんどい作業」です。
実は、書きあぐねているのですが(笑)・・・
ただ、不思議と「書きあぐねつつ」
少しずつ前に進んでいるような気もします。
「本当かなぁ?」
まぁ、それはとりあえず横に置いておいて・・・
この感覚こそ、
「暗闇(絶望・不条理)に潜む光の影を求めて・・・」
ということなんだろうと思います。
「読書とは、他人の自我に耳を傾けること」(ニーチェ)
「書くとは、自分の自我をさらけ出す勇気に立ち向かうこと」(管理人)
それでも、この包み隠さず(すべてではなくとも、そんなことは誰にも出来ませんが・・・)
立ち向かう勇気こそが、
「生きるということ」
「良きコミュニケーションの秘訣」
だと思います。
ひょっとしたら、
「希望がまだどこかに残っていると信じるからこそ、
絶望が絶えず身辺につきまとう」のかもしれませんね。
「いかにして人生のむなしさ感(ニヒリズム=虚無感)
を克服するか?」
これこそ、当ブログの主旋律です。
そのための「考えるヒント」になる本をご紹介させて
頂いています。
皆さんは、いかがですか?
「もっと真剣に人生に寄り添いたい」
そんな方のためにも、私は日々研鑽を
重ねていきたいと思っています。
「絶望・不条理よ!!さらば!!」
ではなく、
「絶望・不条理よ、君たちこそ生きる肥やし」
と思える日が訪れたらいいですよね。
なお、カフカのような形式で考えてみたい方へ。
「カフカ式練習帳」(保坂和志著、河出文庫、2015年)
絶望の達人「カフカ」とは対照的なゲーテとの対話。
そんな「アイディア」で書かれた本。
「希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話」
(ゲーテ・カフカ、頭木弘樹編訳、飛鳥新社、2014年)
もご紹介しておきます。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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