チャールズ・サイフェさんの「異端の数ゼロ~数学・物理学が恐れるもっとも危険な概念~」人類史とは、ゼロとの闘いだった??

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「異端の数ゼロ~数学・物理学が恐れるもっとも危険な概念~」

米国のサイエンス・ライターである

チャールズ・サイフェさんが、

「ゼロの魅力と驚異」について語っておられます。

人類史とは、「ゼロとの闘い!?」だったのでしょうか?

やはり、人類は「ゼロ(虚無)」という概念に

不安を抱くようですね。

「人類はいつの日になれば、ゼロとの邂逅を果たせるのか?」

「ゼロとの遭遇は、未知との遭遇」でもあるだけに、

21世紀現在も、はなはだ脅威に感じられるようです。

今回は、この本をご紹介します。

「異端の数ゼロ~数学・物理学が恐れるもっとも危険な概念~」(チャールズ・サイフェ著、林大訳、早川書房、2003年)

チャールズ・サイフェさん(以下、著者)は、

イェール大学で数学の修士号を取得されています。

現在は、「ニュー・サイエンティスト」記者など

科学ジャーナリストとしてご活躍されているようです。

今回、著者はこの本で「ゼロの魅力と脅威」に迫っています。

人類は、今なお「ゼロとの邂逅」が果たせないでいるようです。

東洋世界では、比較的早くから「ゼロ」との共存関係を果たしながら

受け入れられてきました。

一方で、西洋世界では古代ギリシャ以来21世紀現在に至るまで、

なかなか「ゼロ」との共存が困難なようです。

この「ゼロ」を巡った「世界観」の違いこそ、

今日に至るまでの西洋と東洋の「人間観」に大きな差異を

もたらしてきたのかもしれません。

人類全体が、この「ゼロとの邂逅」を果たした時こそ、

あらたな世界史の第一歩が始まるのでしょう。

この本の魅力は、ゼロと人類との関係性を巡る壮大なドラマが

十二分に描かれている点にあります。

同時に、この本を読むことにより

難しく抽象的な数学・物理学をわかりやすく

学ぶことが出来る点にもあります。

文系の方や「数学・物理学の抽象的世界観」に悩まされている高校生にも

お薦めの1冊です。

この本を通読されることで、特に大学受験生の方の場合、

具体的なイメージがつかめ、受験勉強が進むことも間違いないでしょう。

中学から高校にかけて、管理人もそうでしたが、一気に苦手意識が高まるのは

この「高度な抽象性に耐えられない!!」からだと思われます。

ですから、これから数学や物理学などを学ばれる方は、

「左脳(抽象的処理)から右脳(具体的処理)への頭の切り換え」が

必要となるかと思われます。

「ゼロには、人類史を一変させるほどの叡智が宿っている!!」ようですね。

21世紀現在、人類はまだまだ難題を抱え込んでいますが、

あらゆる森羅万象との調和をもたらすのも「ゼロ」に対する理解次第です。

そうした、問題意識で今回はこの本を取り上げさせて頂きました。

西洋的世界観は、ゼロを拒絶する!?

古代ギリシャ以来、西洋世界では

なかなか「ゼロ」という概念が受容されませんでした。

前にもご紹介させて頂いたピュタゴラスも「ゼロ」や「無理数」といった

「理解不能な数字」には難色を示していたようです。

また、キリスト教世界観は

長期に渡り「地球中心に世界が回る」天動説的世界観を支持してきたようです。

この解釈にはもちろん「異論」もあります。

あくまで、私たちが学校教育で学んできたことも、

単なる「俗説」なのかもしれません。

こうした「安易な簡易化」こそ危険なのでしょう。

この本でも、聖書における「天地創造神話」の中で

「無から有が生じる過程」について触れられています。

どうやら、聖書では「ゼロ」が容認されているようですが、

あくまでキリスト教は「ゼロ」を容認出来なかったようなのです。

そのあたりが、マイモニデスの考えを紹介しながら詳細に解説されています。

「東洋と西洋における世界観(人間観)の調和」のヒントが、

ここにもありそうですね。

古代ギリシア以来現代に至るまで西洋の一般的世界観は、

「アリストテレスの静的安定秩序」にも支えられてきました。

この「実在感」を巡っての対立が、「ゼロ」という概念を

受容するか否かの論争にも影響しています。

「ゼロ」という概念の受容を巡っての対立は、そのまま人類史でもあります。

つまり、「静的(安定的秩序)な世界観VS動的(混沌・無秩序的)な世界観」

との争いだったようです。

20世紀に飛躍的な発展を遂げた物理学の世界でも、

アインシュタイン(相対性理論)とハイゼンベルク(量子理論)との間に

おける論争は、この「世界観」を巡ってのことだったようですね。

複雑で理解困難な抽象的世界にも、こうした背景事情があったことを知れば、

理解も進むかもしれません。

また、ゼロは無限大とも親和性があったようですね。

1/0=∞かつ1/∞=0

難しいリーマン幾何学が、いとも簡単にわかりやすく詳細に解説されています。

複素数(実数と虚数)や現代集合論数論にも

わかりやすく触れられている点にも好感が持てました。

世界観の調和は、ゼロという概念の受容にあり!?

かくまでも、人類史上争われてきたのも「ゼロ」に多くの人間が

恐怖を覚えてきたからでしょうか?

「ゼロ」は、古代バビロニアからアレクサンダー大王のインド侵入を経て、

インドであらためて「再発見」されました。

「無と無限に親しみを感じていた古代インド人」から、やがて

「公平平等を重んじるイスラム世界」へと伝わっていきました。

私たちが現在使用している数字も「アラビア数字」と呼び慣わされています。

イスラム世界では、アリストテレス的世界観に代えて「原子論」を

受容していった過程もこの本では触れられています。

言うまでもなく、「原子」は「これ以上分割出来ない最小単位」です。

現代素粒子物理学でも、延々とこの「原子論」について研究されています。

現代宇宙物理学でも、宇宙の巨大なブラックホールや宇宙創生論に「特異点」を

導入した論争が続けられています。

こうした「西洋」現代科学事情を東洋から観察していると、

意外にも現在まで「ゼロ」を消化吸収出来ていないところに原因がありそうです。

現在、「特異点」の回避を巡っては、「点」よりも「ひも」というイメージで

何とか「ゼロ」の世界を乗り越えようとしています。

「ゼロ」の次元から、一刻も早く抜け出たいという焦りのようなものを

感じてしまいます。

「本当にゼロの世界は恐ろしいものなのでしょうか??」

著者は、この本の最後で、

「宇宙は熱い死ではなく冷たい死にいたるのだ。」

「答えは火ではなく氷である。ゼロの力のおかげで。」

科学者が知っているのは

「宇宙はゼロからはじまり、ゼロに終わるのだ。」

として巻を閉じておられます。

そもそも、「本当にゼロは何も無いことを意味するのでしょうか??」

東洋的世界観では、古くから「ゼロ(空)と無」は異なるイメージで

理解されてきました。

西洋的世界観では、「ゼロ(無限小)=∞(無限大)」というように

どうやら同じイメージがされているみたいですね。

宇宙創生論を考察することは、そのまま人間の一生を考察することにもなります。

「自分の死後に、世界は消滅する!!」と考えるか、

「自分の生前にも死後にも世界はそのまま続く!!」と考えるかで、

この世での人生における価値観も大いに変化するようです。

前者なら、この世を「生き急ぐ生き方」になるでしょうし、

後者なら、「ゆっくりと豊饒さを味わいながらの生き方」になるでしょう・・・

管理人は、すべての方に決して「ゼロの世界は怖くないよ!!」

語りかけたいと思います。(宮沢賢治さんみたいですが・・・)

私事で恐縮ですが、管理人は<射手座=旅人>でもあります。

何と、最近<射手座>の方角に「巨大なブラックホール」が発見されたとか・・・

こうした発見を眺めてみると、「偶然の一致」を感じてしまいます。

だからこそ、皆さんにも「永遠のゼロ」を経験して頂きたいのです。

「悲しいゼロではなく、明るく懐かしいゼロへ」ご招待したいのです。

学問は、本来「夢のある」ものです。

私たちは、この「本来の学問(哲学=愛知)」を取り戻さなければならないようです。

ここから、あらたな「勤労観」などを含め「世界観」も

拓けていくのではないでしょうか?

以上、長々と「ゼロ」の世界を

この本のご紹介とともに語ってきましたが、

「ひょっとしたら、ゼロは始まりでも終わりでもなく、

一つの通過点(ミドルワールド)にしかすぎないのかもしれませんね!!」

あくまで、現時点において学び得た管理人の私見にしかすぎませんが、

今後「ゼロ=中間点」という視点で、「ひも理論」などを超えた理論構築を

宇宙物理学者の方々にはお願いしたいと思います。

もちろん、どの方も素晴らしい視点をお持ちですので、

今までの人類の叡智に敬意を表してのことですが・・・

この本は、そんな魅力にあふれた珠玉の1冊です。

皆さんも、

苦しい時には「宇宙の星々をイメージしながらゼロと親しみましょうね!!」

「人類後史への再出発として!!」

最後までお読み頂きありがとうございました。

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